中国本土の新型コロナ新規市中感染者数は約2万人…上海市が最多、2日連続1万人超=4/5

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。最近の再流行は主にオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)が主とされる。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が4月6日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月5日の中国本土における新規市中感染確認は1383人(前日から210人増)だったとのこと。内訳は、吉林省973人(長春市817人、吉林市136人、白城市11人、四平市5人、白山市4人)、上海市311人(浦東新区162人、徐匯区23人、閔行区23人、黄浦区16人、松江区14人、静安区12人、楊浦区11人、嘉定区11人、虹口区8人、普陀区7人、宝山区7人、長寧区6人、青浦区6人、奉賢区2人、崇明区2人、金山区1人)、浙江省17人(嘉興市10人、寧波市4人、紹興市3人)、海南省10人(三亜市9人、海口市1人)、四川省10人(成都市)、山西省8人(太原市7人、運城市1人)、黒竜江省8人(牡丹江4人、ハルビン市2人、大慶市2人)、遼寧省7人(鞍山市)、福建省7人(泉州市)、広東省7人(茂名市3人、広州市2人、湛江市1人、肇慶市1人)、河北省6人(邯鄲市5人、雄安新区1人)、北京市4人(順義区3人、朝陽区1人)、山東省4人(済南市)、天津市3人(西青区2人、河北区1人)、江蘇省3人(鎮江市)、江西省2人(南昌市)、湖南省1人(婁底市)、雲南省1人(徳宏タイ族チンポー族自治州)、陝西省1人(西安市)。このうち吉林省の65人、上海市の40人、福建省の7人、浙江省の4人、天津市、山西省、広東省、四川省の各2人、遼寧省、江蘇省、海南省の各1人の計127人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは172日連続。4桁となるのは25日連続。

 市中の無症状感染例についても1万9089人(前日から3850人増)に上った。近日は上海市で増加傾向、吉林省で高止まりが続く。内訳は、上海市1万6766人(浦東新区7892人、閔行区2917人、徐匯区902人、松江区787人、黄浦区647人、楊浦区615人、宝山区548人、普陀区482人、嘉定区480人、虹口区403人、青浦区394人、静安区305人、奉賢区151人、長寧区86人、金山区81人、崇明区76人)、吉林省1798人(長春市1682人、吉林市112人、四平市2人、白城市2人)、河北省103人(邯鄲市78人、保定市21人、石家庄市4人)、江蘇省74人(宿遷市32人、蘇州市23人、南通市13人、徐州市4人、無錫市1人、塩城市1人)、安徽省56人(淮南市36人、六安市10人、阜陽市8人、蕪湖市1人、黄山市1人)、浙江省50人(嘉興市39人、杭州市10人、金華市1人)、山東省45人(イ坊市13人、威海市12人、済南市10人、臨沂市7人、青島市2人、カ沢市1人)、遼寧省43人(瀋陽市30人、鞍山市12人、錦州市1人)、江西省33人(南昌市28人、上饒市5人)、河南省33人(周口市30人、許昌市1人、南陽市1人、永城市1人)、福建省22人(泉州市)、海南省22人(三亜市)、新疆ウイグル自治区7人(ウルムチ市4人、昌吉回族自治州2人、バインゴリンモンゴル自治州1人)、湖北省6人(黄石市2人、随州市2人、武漢市1人、鄂州市1人)、天津市5人(河東区2人、西青区2人、津南区1人)、四川省4人(成都市3人、南充市1人)、雲南省4人(徳宏タイ族チンポー族自治州)、黒竜江省3人(ハルビン市1人、大慶市1人、ジャムス市1人)、広東省3人(広州市1人、茂名市1人、東莞市1人)、山西省2人(運城市)、広西チワン族自治区2人(防城港市1人、百色市1人)、貴州省2人(黔西南プイ族ミャオ族自治州)、青海省2人(西寧市)、北京市1人(順義区)、湖南省1人(婁底市)、陝西省1人(宝鶏市)、甘粛省1人(蘭州市)。

 無症状を含む新規感染者が5桁となるのは4日連続。

 4月5日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は2万4565人(うち輸入性が541人)で、重症者は75人(輸入性はゼロ)。無症状の患者11万3950人(輸入性1026人)が医学観察下にあるとのこと。

中国・上海(資料)—本紙撮影

中国・上海(資料)—本紙撮影

 香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市と中山市、珠江東岸(香港寄り)の深セン市と東莞市をそれぞれ中心として断続的に市中感染確認例が出現している状況だが、近日の両市の感染確認数は低位を維持している。状況が落ち着いたことに伴い、深セン市の蛇口港とマカオの外港及びタイパフェリーターミナルの間を結ぶ高速船が4月7日から運航を再開することも発表された。

 このところ中国本土の多くの省市区で新規感染者の出現が相次いでいるが、特に深刻なのが東北部の吉林省と華東部の上海市。上海市では当初3月28日から4月5日の予定で事実上のロックダウンを伴う全市民を対象としたPCR検査が実施するとしていたが、検査状況等を踏まえ、5日以降も全市レベルでロックダウンが継続されることとなった。4日、5日と2日連続で1万人以上の感染者が出現しており、予断を許せない状況が続く。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロコロナ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。

 マカオ特別行政区では4月5日まで177日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。2月以降は感染確認数が急増しており、第5波開始以来、4月5日までの累計は約116.5万人(無症状含む)、死亡者数は8136人に。3月初旬にピークを過ぎたとされ、直近11日連続で新規感染確認数が1万人以下となったが、依然として高止まりが続く状況。目下、香港ではステルスオミクロンの伝播が主とされる。

 上述の通り、マカオは安定を維持しているものの、近日は中国本土で出現した感染例の濃厚接触者あるいは二次接触者に認定され、隔離検疫の対象とされるケースや輸入品に付着したウイルスの発見も相次いでおり、流入に備えて防疫措置が引き締めとなっている。

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