香港の新型コロナ新規感染者数2644人、6日連続5千人以下…第5波累計約117万人、死亡者数は8344人に=4/7

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。

 2月から3月にかけて、オミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は、新規感染確認数も落ち着きつつあるが、依然として高止まりが続く。

 香港衛生当局が4月7日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から133人減(4.8%減)の2644人(輸入性12人含む)とのこと。2日連続下落となり、6日連続で5千人を下回った。第5波開始以来の累計感染者数は約117万人。

 死亡者数は医管局の直近24時間報告分が90人、遅延報告分が7人で、第5波開始以来の累計死亡者数は8344人となり、総体死亡率は前日から横ばいの約0.71%に。死亡者の年齢中位数は86歳。

 当局では、イースター連休後に学校の対面授業の再開を迎えるにあたり、そのころの流行状況は落ち着いているものとみられるが、学校でのクラスター発生を予防する措置を講じる必要があり、教育当局が詳細の検討を行っているとした。

 2月以降の感染急拡大によって、医療現場のキャパシティ不足が深刻化したことを受け、政府がホテルの借り上げや公営住宅の転用、中国中央政府の支援も得て仮設の大規模隔離・治療施設の建設、医療支援チームの受け入れなどを進めて対処を進めた結果、直近では入院待機状況が改善傾向にあるという。一時ストップしていた局地ロックダウンによる強制ウイルス検査も再開された。今週末にかけて(4月8日から10日までの3日間)、全市民を対象としたスピード抗原検査計画が実施される予定となっており、検査キットなどが入った防疫サービスパックの配布作業が進められている。

 香港の4月6日午後8時時点のワクチン接種率は92.3%(1回目の接種完了)、85.5%(2回目の接種完了)となっている(※新たに接種対象となった3〜11歳は含まず)。3〜11歳の1回目接種率は61.6%。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。ただし、近日は再び頭打ち状態に。6日単日の接種回数(1〜3回目の接種合計)は3万2683回で、7日移動平均は3万5789回。年齢層別の接種率では、新たに接種対象となった3〜11歳のほか、70〜79歳(82.2%)と80歳以上(58.7%)が大きく平均を下回っており、接種率向上策が講じられている。当局は、4月末までに高齢者の接種率9割を達成することを目標として掲げている。

 このほか、第5波下で医管局の職員約2万1千人が感染したが、すでに約1万9600人が職場に復帰したとのこと。

全市民対象のスピード抗原検査に必要なキットなどが入った防疫サービスパックを油麻地エリアの古いアパートに暮らす家庭へ配布に訪れた民政事務総署の張趙凱渝所長(右)=2022年4月6日(写真:news.gov.hk)

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