香港の新型コロナ新規感染者数2535人、全市民迅速抗原検査開始も前日から微増にとどまる…第5波累計約117.5万人=4/9

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。

 2月から3月にかけて、オミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は、新規感染確認数も落ち着きつつあるが、依然として高止まりが続く。

 香港衛生当局が4月9日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から43人増(1.7%増)の2535人とのこと。内訳は迅速抗原検査経由が1638人、PCR検査経由が897人。4日ぶりに上昇となったが、8日連続で5千人を下回った。第5波開始以来の累計感染者数は約117.5万人。

 死亡者数は医管局の直近24時間報告分と遅延報告分を合わせて62人、医管局以外からの報告分を含む第5波開始以来の累計死亡者数は8492人となり、総体死亡率は前日から横ばいの0.72%。

 香港の全市民を対象とした迅速抗原検査計画(強制ではなく参加は個人の意思に委ねられる)が8日からスタートした。10日までの3日間、毎日1回検査を行い、結果が陽性となった場合は24時間以内に特設サイト等の所定の経路で当局に報告することが求められる。

 当局では、前日と比較して迅速抗原検査経由の感染確認数が増加したもの、急増というものではなく、一方でPCR検査経由は減少しており、政府の呼びかけに応じて迅速抗原検査を行う動きがあったことを示す結果との見方を示した。また、当局が迅速抗原検査結果が陽性だったと報告した人について調査を行ったところ、その約6割が無症状だったという。

 2月以降の感染急拡大によって、医療現場のキャパシティ不足が深刻化したことを受け、政府がホテルの借り上げや公営住宅の転用、中国中央政府の支援も得て仮設の大規模隔離・治療施設の建設、医療支援チームの受け入れなどを進めて対処を進めた結果、直近では入院待機状況が改善傾向にあるという。一時ストップしていた局地ロックダウンによる強制ウイルス検査も再開された。

 香港の4月8日午後8時時点のワクチン接種率は92.3%(1回目の接種完了)、85.7%(2回目の接種完了)となっている(※新たに接種対象となった3〜11歳は含まず)。3〜11歳の1回目接種率は62.0%。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。ただし、近日は再び頭打ち状態に。8日単日の接種回数(1〜3回目の接種合計)は3万9067回で、7日移動平均は3万3073回。年齢層別の接種率では、新たに接種対象となった3〜11歳のほか、70〜79歳(82.4%)と80歳以上(59.1%)が大きく平均を下回っており、接種率向上策が講じられている。当局は、4月末までに高齢者の接種率9割を達成することを目標として掲げている。

香港のイメージ=香港島・中環にて本紙撮影

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