香港の新型コロナ新規感染者数1272人、4日連続2千人以下…第5波累計約118.1万人=4/13

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。

 2月から3月にかけて、オミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は、新規感染確認数も落ち着きつつあるが、依然として高止まりが続く。

 香港衛生当局が4月13日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から161人減(11.2%減)の1272人(輸入性12人含む)とのこと。内訳は迅速抗原検査経由が538人、PCR検査経由が734人。4日連続で2千人以下を維持し、ピーク期以降の最少となった。第5波開始以来の累計感染者数は約118.1万人。

 新たに報告された死亡者数は62人、第5波開始以来の累計死亡者数は8735人に。

 香港の全市民を対象とした迅速抗原検査計画(強制ではなく参加は個人の意思に委ねられる)が8日から10日までの3日間かけて実施された。期間中、毎日1回検査を行い、結果が陽性となった場合は24時間以内に特設サイト等の所定の経路で当局に報告することが求められるというもの。この日の会見時点で、3日間累計の本計画を通じた陽性報告数は約3142人だったとのこと。

 当局では、イースター連休(14〜18日)が近づく中、厳格なソーシャルディスタンス措置が講じられてから一定の時間が経過し、加えて近日の感染確認数が減少していることで、市民の緊張感が緩和する可能性があるとし、気を緩めすぎず、マスクを外したり、通気性の良くない場所を訪れるなど感染リスクの高い行為を避けるよう呼びかけた。

 2月以降の感染急拡大によって、医療現場のキャパシティ不足が深刻化したため、中国中央政府の支援も得て仮設の大規模隔離・治療施設の建設、医療支援チームの受け入れなどが進められたが、このところは状況が大きく改善。一時ストップしていた局地ロックダウンによる強制ウイルス検査も再開された。イースター連休明けからの学校の対面授業の再開、ソーシャルディスタンス措置の段階的緩和も予定されており、少しずつだが正常化が進む見通し。

 香港の4月12日午後8時時点のワクチン接種率は92.5%(1回目の接種完了)、86.2%(2回目の接種完了)となっている(※新たに接種対象となった3〜11歳は含まず)。3〜11歳の1回目接種率は62.9%。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。ただし、近日は再び頭打ち状態に。12日単日の接種回数(1〜3回目の接種合計)は2万8651回で、7日移動平均は3万1478回。年齢層別の接種率では、新たに接種対象となった3〜11歳のほか、70〜79歳(82.6%)と80歳以上(59.8%)が大きく平均を下回っており、接種率向上策が講じられている。当局は、4月末までに高齢者の接種率9割を達成することを目標として掲げている。

香港のイメージ=香港島・中環にて本紙撮影

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