香港の新型コロナ新規感染者数1043人、5日連続2千人以下…オミクロン株亜種「BA.5」初確認、南アからの入境者=4/14
- 2022/4/14 19:45
- 香港・大湾区
人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。
2月から3月にかけて、オミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は、新規感染確認数も落ち着きつつあるが、依然として高止まりが続く。
香港衛生当局が4月14日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から229人減(18.0%減)の1043人(輸入性23人含む)とのこと。内訳は迅速抗原検査経由が464人、PCR検査経由が579人。5日連続で2千人以下を維持し、ピーク期以降の最少を更新した。第5波開始以来の累計感染者数は約118.2万人。
新たに医管局から報告された死亡者数は54人、第5波開始以来の累計死亡者数は8789人に。
2月以降の感染急拡大によって、医療現場のキャパシティ不足が深刻化したため、中国中央政府の支援も得て仮設の大規模隔離・治療施設の建設、医療支援チームの受け入れなどが進められたが、このところは状況が大きく改善。一時ストップしていた局地ロックダウンによる強制ウイルス検査も再開された。イースター連休明けからの学校の対面授業の再開、ソーシャルディスタンス措置の段階的緩和も予定されており、少しずつだが正常化が進む見通し。
ソーシャルディスタンス措置については、21日から飲食店のディナータイムにおけるイートインの解禁(営業時間は22時まで、1テーブルあたりの着席人数は4人まで、参加者が20人未満の宴会許容)、美容院・スポーツセンター・レジャー施設・宗教施設・テーマパーク・映画館等の再開(収容人数の半分以下が条件)、集会制限人数の拡大(4人まで)、家庭を跨ぐ集会禁止解除といった緩和策が講じられる。
香港の4月13日午後8時時点のワクチン接種率は92.6%(1回目の接種完了)、86.3%(2回目の接種完了)となっている(※新たに接種対象となった3〜11歳は含まず)。3〜11歳の1回目接種率は63.2%。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。ただし、近日は再び頭打ち状態に。13日単日の接種回数(1〜3回目の接種合計)は3万0195回で、7日移動平均は3万1122回。年齢層別の接種率では、新たに接種対象となった3〜11歳のほか、70〜79歳(82.7%)と80歳以上(60.2%)が大きく平均を下回っており、接種率向上策が講じられている。当局は、4月末までに高齢者の接種率9割を達成することを目標として掲げている。
このほか、14日夕方の定例会見では、輸入性の患者1人がオミクロン変異株の亜種「BA.2」に感染していたことも明らかにされた。患者は南アフリカから香港へ入境した24歳の男性で、指定ホテルでの隔離検疫期間中に感染確認されたという。現在も同じホテルで隔離検疫中で、患者と同フロアの滞在者に対する検査を強化して臨んでいるとのこと。また、患者が搭乗したフライトで多くの感染者が出現している事実はないとした。香港では、4月から高リスク地域からのフライトを解禁したことにより、このところ輸入性の感染確認例が増えている。