中国本土の新型コロナ新規市中感染者数は約2.4万人…上海市が95%超=4/14
- 2022/4/15 10:36
- 香港・大湾区
中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)の流入を受け、一部地域で比較的大規模な再流行が出現している。
中国の国家衛生健康委員会(NHC)が4月15日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月14日の中国本土における新規市中感染確認者数は3472人(前日から473人増)だったとのこと。内訳は、上海市3200人、吉林省174人、広東省22人、浙江省17人、山西省10人、福建省10人、黒竜江省7人、雲南省6人、山東省5人、青海省5人、陝西省3人、北京市2人、内モンゴル自治区2人、江蘇省2人、天津市1人、遼寧省1人、江西省1人、河南省1人、湖北省1人、重慶市1人、四川省1人。このうち上海市の307人、吉林省の81人、浙江省の11人、江蘇省の1人、福建省の1人、山東省の1人、広東省の1人、青海省の1人の計404人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは181日連続。4桁となるのは34日連続。上海市では前日初めて2千人超となったばかりだが、一気に3千人を超えるに至った。
市中の無症状感染例は2万0694人(前日から5624人減)。内訳は、上海市1万9872人、吉林省342人、広西チワン族自治区136人、江蘇省49人、安徽省47人、山西省43人、湖北省29人、河南省25人、山東省24人、河北省23人、遼寧省20人、広東省19人、江西省18人、雲南省16人、福建省7人、浙江省6人、青海省6人、陝西省4人、黒竜江省3人、内モンゴル自治区2人、天津市1人、海南省1人、貴州省1人。
無症状を含む新規感染者が5桁となるのは13日連続で、10日連続2万人超。上海市で2万人を下回るのは8日ぶりとなる。
4月14日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は2万4878人(うち輸入性が283人)で、重症者は76人(輸入性はゼロ)。無症状の患者27万6632人(輸入性789人)が医学観察下にあるとのこと。
中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロコロナ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。
香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市と中山市、珠江東岸(香港寄り)の深セン市と東莞市をそれぞれ中心として断続的に市中感染確認例が出現していたが、このところ両市の感染確認数は低位を維持している。4月8日以降、省都の広州市では白雲区を中心に感染者の出現が相次ぎ、累計感染報告数は130人超に達している。14日の同省の新規感染確認22人中21人が広州市で報告されたもの。同市では11日から不要不急の市外への移動が制限されたほか、小中学校の対面授業が1週間にわたり中止に。目下、複数エリアが局地ロックダウン状態にある。広州市当局は14日午後の会見で、バーやネットカフェなどでクラスターの発生が確認されているとし、市民に対して不要不急の外出を避けること、個々人が防疫対策をしっかり講じることを呼びかけた。
このところ中国本土の多くの省市区で新規感染者の出現が続いているが、特に深刻なのが華東部の上海市と東北部の吉林省。上海市では3月下旬から事実上のロックダウン状態が続き、市民は長期にわたって自宅待機を余儀なくされているが、本格的なロックダウンの解除時期も見通せない状況。吉林省については、省当局が14日午前の会見で、省内全域において「社会面清零(隔離対象以外のゼロコロナ)」目標を達成したと宣言した。
マカオ特別行政区では4月14日まで186日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。2月以降は感染確認数が急増しており、第5波開始以来、4月14日までの累計は約118.2万人(無症状含む)、死亡者数は8789人に。3月初旬にピークを過ぎたとされ、直近5日連続で新規感染確認数が2千人以下を維持した。これまで香港では上海市のような全域レベルでのロックダウンは実施されておらず、特定のマンションや区域を対象とした局地ロックダウンにとどまる。