中国本土の新型コロナ新規市中感染者数が15日ぶり2万人下回る…上海市が約95%占め最多、高止まり続く=4/19
- 2022/4/20 10:10
- 香港・大湾区
中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)の流入を受け、一部地域で比較的大規模な再流行が出現している。
中国の国家衛生健康委員会(NHC)が4月20日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月19日の中国本土における新規市中感染確認者数は2753人(前日から544人減)だったとのこと。内訳は、上海市2494人、吉林省133人、黒竜江省45人、江西省25人、広東省14人、山西省9人、江蘇省8人、浙江省8人、陝西省5人、河南省3人、湖南省3人、北京市2人、福建省2人、河北省1人、青海省1人。このうち上海市の533人、吉林省の69人、浙江省の4人、江蘇省の3人、広東省の3人、福建省の2人、山西省の1人、陝西省の1人の計616人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは186日連続、4桁となるのは39日連続。上海市では2日ぶりに3千人を下回った。
市中の無症状感染例は1万7066人(前日から1121人減)。内訳は、上海市1万6407人、吉林省262人、江蘇省95人、河北省61人、安徽省48人、浙江省47人、黒竜江省28人、江西省28人、山東省25人、山西省21人、河南省13人、遼寧省9人、広東省6人、広西チワン族自治区6人、雲南省5人、湖北省4人、青海省1人。
無症状を含む新規感染者が5桁となるのは18日連続で、15日ぶりに2万人を下回った(1万9819人)。このうち上海市の報告数が1万8901人に上り、95.4%を占めた。
4月19日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は3万0773人(うち輸入性が236人)で、重症者は116人(輸入性はゼロ)。無症状の患者26万6288人(輸入性750人)が医学観察下にあるとのこと。
中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロコロナ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。目下、何らかの封鎖等の制限が講じられている地域が多く存在する。
このところ中国本土の多くの省市区で新規感染者の出現が続いているが、特に深刻なのが上海市。同市では3月下旬から事実上のロックダウン(都市封鎖)状態が続き、市民は長期にわたって自宅待機を余儀なくされているが、依然として連日約2万人の新規感染例が出現する中、本格的なロックダウンの解除時期も見通せない状況。NHCは19日午後の記者会見において、上海市の新規感染確認数は近日も高止まりしており、市中における伝播リスクも依然として高く、深刻な状況が続いているとの見方を示した。また、今年3月以降、中国本土ではチベット自治区を除くすべての省市区で計49.7万人の感染例が報告されており、このところ状況は落ち着きつつあるものの、地域を跨ぐ交差性の輸入例による影響が明らかで、各地における防疫対応を困難なものにしているとした。
香港・マカオと陸で接する広東省では、今年に入って以降、珠江西岸(マカオ寄り)の珠海市と中山市、珠江東岸(香港寄り)の深セン市と東莞市をそれぞれ中心として断続的に市中感染確認例が出現していたが、このところ両市の感染確認数は低位を維持している。19日の同省の感染確認及び無症状者については、全員が広州市から報告されたケースという。4月8日以降、省都の広州市では白雲区を中心に感染者の出現が相次ぎ、累計感染報告数は240人超に達している。広州市の封鎖エリアを除く一般市中における状況が落ち着いたことを受け、広東省から陸路または海路でマカオへ入境するにあたってのPCR検査陰性証明の有効期間が24時間以内から48時間以内へ拡大された。
マカオ特別行政区では4月19日まで191日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。2月以降は感染確認数が急増しており、第5波開始以来、4月19日までの累計は約118.6万人(無症状含む)、死亡者数は8963人に。3月初旬にピークを過ぎたとされ、直近では19日まで5日連続1千人以下を維持。これまで香港では上海市のような全域レベルでのロックダウンは実施されておらず、特定のマンションや区域を対象とした局地ロックダウンにとどまる。