香港の新型コロナ新規感染者数668人…前日から微増も6日連続1千人以下維持=4/20

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が続く。

 2月から3月にかけて、オミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は、新規感染確認数が下落傾向を維持している。

 香港衛生当局が4月20日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から68人増(11.3%増)の668人(輸入性13人含む)とのこと。内訳は迅速抗原検査経由が338人、PCR検査経由が330人。対前日で増加に転じるのは8日ぶりだが、6日連続で1千人以下を維持した。第5波開始以来の累計感染者数は118万7075人。

 新たに医管局から報告された死亡者数は10人で、第5波開始以来の累計死亡者数は8973人に。

 2月以降の感染急拡大によって、医療現場のキャパシティ不足が深刻化したため、中国中央政府の支援も得て仮設の大規模隔離・治療施設の建設、医療支援チームの受け入れなどが進められたが、このところは状況が大きく改善。一時ストップしていた局地ロックダウンによる強制ウイルス検査も再開。4月19日からは小学校の対面授業が再開されたばかりで、21日からはソーシャルディスタンス措置の一部緩和も予定されている。

 香港では、18日までがイースターの4連休だった。第4波までホリデーシーズンの後に新規感染確認数が増加に転じることを繰り返してきたこともあり、当局ではイースター後の一定数の増加は想定の範囲内として対応策を準備していることを明らかにしていた。小学校の対面授業再開とソーシャルディスタンス措置の一部緩和は人流増にもつながるため、今後の新規感染確認数の推移に注目される。

 香港の4月19日午後8時時点のワクチン接種率は92.8%(1回目の接種完了)、86.8%(2回目の接種完了)となっている(※新たに接種対象となった3〜11歳は含まず)。3〜11歳の1回目接種率は64.8%。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。ただし、近日は再び頭打ち状態に。19日単日の接種回数(1〜3回目の接種合計)は2万7539回で、7日移動平均は2万5967回。年齢層別の接種率では、新たに接種対象となった3〜11歳のほか、70〜79歳(83.1%)と80歳以上(61.2%)が大きく平均を下回っており、接種率向上策が講じられている。当局は、4月末までに高齢者の接種率9割を達成することを目標として掲げ、訪問接種サービスを展開するなどの接種率向上策を講じている。

香港の町並み(資料)—本紙撮影

香港の町並み(資料)—本紙撮影

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