中国本土の新型コロナ新規市中感染者数は約1.4万人…上海市が約95%占め最多、累計50万人超に=4/26

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)の流入を受け、一部地域で比較的大規模な再流行が出現している。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が4月27日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月26日の中国本土における新規市中感染確認者数は1818人(前日から90人減)だったとのこと。内訳は、上海市1606人、江西省56人、吉林省51人、北京市31人、黒竜江省25人、浙江省16人、江蘇省8人、内モンゴル自治区7人、山東省6人、河南省3人、湖南省2人、四川省2人、河北省1人、山西省1人、安徽省1人、福建省1人、重慶市1人。このうち上海市の1253人、吉林省の31人、浙江省の15人、江蘇省の4人、山東省の3人、江西省の1人、四川省の1人の計1308人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは193日連続、4桁となるのは46日連続。

 市中の無症状感染例は1万2404人(前日から3412人減)。内訳は、上海市1万1956人、遼寧省102人、吉林省80人、江蘇省76人、山東省66人、江西省41人、浙江省31人、河南省14人、河北省13人、安徽省8人、黒竜江省7人、北京市3人、雲南省3人、湖北省2人、広西チワン族自治区2人。

 無症状を含む新規感染者が5桁となるのは25日連続で、2日連続2万人を下回った(1万4222人)。このうち上海市の報告数が1万3562人に上り、95.4%を占めた。目下、先に深刻な再流行が出現した吉林省における状況が落ち着き、他の省市区でも大規模な感染拡大に出現には至っていない中、高止まりの続く上海市の占める割合が際立っている状況。

 4月26日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は2万6774人(うち輸入性が195人)で、重症者は318人(輸入性はゼロ)。無症状の患者22万5249人(輸入性596人)が医学観察下にあるとのこと。

中国・上海(資料)—本紙撮影

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロコロナ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。現時点でもゼロコロナ政策を堅持する考えを重ねて強調しており、何らかの封鎖措置が講じられている地域が多く存在する。

 このところ中国本土の多くの省市区で新規感染者の出現が続いているが、特に深刻なのが上海市で累計感染者数は50万人超に達している。同市では3月下旬から事実上のロックダウン(都市封鎖)状態が続き、市民は長期にわたって自宅待機を余儀なくされているが、本格的なロックダウンの解除時期も見通せない状況。同市における新規感染確認数は近日下落が続いているものの、依然として高止まりしている。26日まで10日連続で複数の死亡例が報告されており、累計200人超に。26日の死亡報告数は48人だった。

 近日は北京市でも感染例の出現が相次ぐ。これまでのところは朝陽区に集中しているが、同区に加えて26日から市内複数の区で全員PCR検査(3回受検)がスタートした。市当局が26日夕方の会見で明らかにしたところでは、調査の結果、市内に2つの伝播チェーンが存在することが判明し、今後接触者の追跡調査等を経て感染例の出現が増える見通しも示した。

 香港・マカオと陸で接する広東省でも、今年に入って以降、広州市、深セン市、東莞市、珠海市、中山市などで断続的に市中感染確認例が出現していたが、このところ状況は落ち着いており、4月22日までに省内全域が低リスク地域に復帰した。

 マカオ特別行政区では4月26日まで198日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。2月から3月頭にかけて感染確認数の急増があり、第5波開始以来、4月26日までの累計は約119.0万人(無症状含む)、死亡者数は9061人。3月初旬にピークを過ぎたとされ、直近では26日まで3日連続500人以下を維持。26日単日では347人(輸入性12人含む)で、ピーク期以来の最多を更新した。これまで香港では上海市のような全域レベルでのロックダウンは実施されておらず、特定のマンションや区域を対象とした局地ロックダウンにとどまる。

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