マカオ当局と地元カジノ業界がセキュリティ対策テーマに協議…違法両替及びオーバーステイへの対応で連携

 マカオ政府博彩監察協調局(カジノ規制局/DICJ)と司法警察局(PJ)は4月27日、マカオ政府とカジノ経営コンセッションを締結する6事業者との定例ワーキング会議を開催した。

 今回の会議では、カジノ施設のセキュリティが主要トピックとなり、マカオのカジノ産業の持続的かつ健康的な発展のための犯罪抑止及び撲滅策について協議が行われた。

 会議上、PJから昨年のマカオにおけるカジノ犯罪状況のレビューがあり、過去一年間における総体カジノ犯罪事案は増加傾向にあり、中でもカジノ施設内及び併設ホテル客室内における違法両替がきっかけの詐欺事件が突出していたことが紹介された。

 コロナ前、違法両替はカジノ施設内外での声がけによる客引きが目立っていたが、コロナ禍で水際措置が講じられたことによるインバウンド旅客の減少とともに姿を消した。ただし、PJによれば、インターネットを活用した客引きに移行し、取引場所をホテル客室やカジノ施設内のトイレの個室とするなど、より目立たない方法で暗躍しているとし、これに対する警戒と相応の取り締まりを実施しているとのこと。昨年、延べ39回の取り締まりを通じて164人の違法両替従事者を摘発し、治安警察局に身柄を移して追放措置を講じたという。PJでは、治安情勢の変化に適宜対応できる体制を整え、カジノ運営6事業者のセキュリティ部門との連携による有効な取り締まりプランを作成し、違法両替をきっかけとした犯罪の発生を芽を摘んでいきたいとしたほか、オーバーステイ対策についてもプランを模索したい考えを示し、カジノ運営6事業者からは警察に対する協力意向が示された。

DICJ及びPJがカジノ事業者6社の代表を招集して開催したワーキング会議の様子=2022年4月27日(写真:PJ)

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