中国本土の新型コロナ新規市中感染者数は7741人、2日連続1万人以下…大半占める上海では漸減傾向=5/1
- 2022/5/2 9:49
- 香港・大湾区
中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)の流入を受け、一部地域で比較的大規模な再流行が出現している。
中国の国家衛生健康委員会(NHC)が5月2日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月1日の中国本土における新規市中感染確認者数は846人(前日から70人減)だったとのこと。内訳は、上海市727人、北京市36人、吉林省31人、広東省23人、黒竜江省8人、四川省6人、山東省5人、浙江省2人、江西省2人、新疆ウイグル自治区2人、内モンゴル自治区1人、遼寧省1人、福建省1人、河南省1人。このうち上海市の529人、吉林省の27人、広東省の7人、北京市の1人、四川省の1人の計566人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは198日連続、2日連続で3桁となった。
市中の無症状感染例は6895人(前日から445人減)。内訳は、上海市6606人、遼寧省95人、新疆ウイグル自治区37人、江西省35人、山東省34人、黒竜江省20人、吉林省16人、江蘇省16人、浙江省16人、北京市5人、河北省4人、河南省4人、広東省2人、広西チワン族自治区2人、湖南省1人、四川省1人、雲南省1人。
無症状を含む新規感染者数は7741人で、2日連続4桁台にとどまった。このうち上海市の報告数が7333人に上り、全体の94.7%を占めた。
5月1日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は2万0173人(うち輸入性が160人)で、重症者は576人(輸入性はゼロ)。無症状の患者15万6131人(輸入性542人)が医学観察下にあるとのこと。
中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロコロナ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。現時点でもゼロコロナ政策を堅持する考えを重ねて強調しており、何らかの封鎖措置が講じられている地域が多く存在する。
このところ中国本土の多くの省市区で新規感染例の出現が続いているが、特に深刻なのが上海市。同市では3月下旬から事実上のロックダウン(都市封鎖)状態が続き、その解除時期も見通せない状況。ただし、このところ同市における新規感染確認数は緩やかな下落傾向にある。同市では、7日連続で新規感染例がゼロとなったブロックについては速やかに管理レベルを引き下げ、正常化を進める方針。すでに市内の6つの区では社会面(隔離対象以外の一般市中)における清零を実現できているという。5月1日からは全市域を対象に7日間の全員PCR検査が実施される予定。
4月22日以降、北京市でも感染例の出現が相次いでおり、今回の再流行における感染者の累計は約350人に。ここまで市内14の区で感染確認例が出現しており、特に多いのが朝陽区とのこと。目下、同市では2つの伝播チェーンの存在が確認されており、いずれも市外から流入したものであることがわかっているという。
香港・マカオと陸で接する広東省でも、今年に入って以降、広州市、深セン市、東莞市、珠海市、中山市などで断続的に市中感染確認例が出現していたが、このところ状況は落ち着いており、4月22日までに省内全域が低リスク地域に復帰した。ただし、近日は広州白雲国際空港の職員及びその同住者を中心とした新たな感染例が相次ぎ出現している。これまでの累計感染者数は84人で、隔離対象以外の一般市中における感染例は報告されていないとのこと。市当局は1日の会見において、患者の勤務先と生活環境から採取したサンプル16点から陽性反応が検出され、ドアの取手や階段の手すりといった頻繁に接触するものに集中していたという。さらに、疫学調査を通じ、一部の患者が痰を吐いたり手鼻をかむなどの不衛生な習慣があったとし、公衆に対して注意を呼びかけた。
マカオ特別行政区では5月1日まで203日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。2月から3月頭にかけて感染確認数の急増があり、第5波開始以来、5月1日までの累計は約119.2万人(無症状含む)、死亡者数は9100人に。3月初旬にピークを過ぎたとされ、直近では1日まで8日連続500人以下を維持。1日単日では300人(輸入性22人含む)で、ピーク期以降の最少を更新。これまで香港では上海市のような全域レベルでのロックダウンは実施されておらず、特定のマンションや区域を対象とした局地ロックダウンにとどまる。