香港の新型コロナ新規感染者数321人…小幅なリバウンド続くも12日連続500人以下=5/5

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が続く。

 2月から3月にかけて、オミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は緩やかな下落傾向を維持している。

 香港衛生当局が5月5日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から8人増の321人(輸入性17人含む)とのこと。3日連続で上昇となったが、12日連続500人以下を維持し、顕著なリバウンドと呼べるレベルには至っていない。第5波開始以来の累計感染者数は119万3086人。

 新たに医管局から報告された死亡者数は3人で、第5波開始以来の累計死亡者数は9120人に。

 香港では、流行状況の安定を受けて、イースター連休明けの4月19日から小学校、5月3日からは幼稚園と中学校(日本でいう高校も含む)の対面授業が再開(毎朝登校前に迅速抗原検査を実施し、結果が陰性の場合に限り登校できるルール)となった。5日の学校からの陽性報告数は26人(学生24人、教職員2人)とのこと。

 また、4月21日からはソーシャルディスタンス措置が一部緩和(バーを除く飲食店の夕食時間帯の営業解禁、同卓制限の緩和、映画館・テーマパーク等の再開、集団制限措置の緩和ほか)となった。5月5日からはプール、ビーチ、水上スポーツセンター等が再開可能となり、屋外で激しい運動をする際や郊外公園ではマスクの着用義務廃止、レストランの1卓あたりの着席人数は8人に(+4人)。さらに、19日からは緩和第2段階が本格実施される予定で、バー、サウナ、クルーズ船の営業が再開可能となり、バーの営業時間は午前2時まで、1卓あたりの着席人数は最大8人まで。レストランの営業時間は午前0時までに延長(現行から+2時間)、宴会人数も120人までに拡大(+20人)。映画館ではキャパシティの85%まで入場可能となり(+35%)、飲食も認められる。

 当局は5日夕方の記者会見で、現時点の状況は落ち着いているが、依然として不確定要素は残っており、警戒を維持する必要があるとし、今後ソーシャルディスタンス措置の第2段階緩和が予定されているほか、母の日、パブリックホリデー(仏誕節)を迎え、外出や人が集まる機会も多く見込まれることから、伝播リスクが増大する可能性を指摘した。

 5月4日午後8時時点の香港の3歳以上の人口におけるワクチン接種率は91.3%(1回目の接種完了)、84.8%(2回目の接種完了)となっている。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。ただし、近日は再び頭打ち状態に。4日単日の接種回数(1〜4回目の接種合計)は2万5207回で、7日移動平均は2万7686回。年齢層別の接種率(1回目の接種完了)では、3〜11歳(70.93%)、70〜79歳(79.74%)、80歳以上(64.38%)が大きく平均を下回っており、高齢者に対する訪問接種サービスを展開するなどの接種率向上策が講じられている。

香港の町並み(資料)—本紙撮影

香港の町並み(資料)—本紙撮影

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