中国本土の新型コロナ新規市中感染者数は4272人、6日連続1万人以下…上海では漸減傾向、北京でも対策強化進む=5/5

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)の流入を受け、一部地域で比較的大規模な再流行が出現している。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が5月6日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月5日の中国本土における新規市中感染確認者数は356人(前日から4人減)だったとのこと。内訳は、上海市245人、北京市55人、河南省24人、広東省13人、河北省4人、黒竜江省4人、遼寧省2人、吉林省2人、江西省2人、湖南省2人、江蘇省1人、重慶市1人、貴州省1人。このうち上海市の181人、広東省の6人、遼寧省の2人の計189人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは202日連続、6日連続で1千人以下となった。

 市中の無症状感染例は4272人(前日から406人減)。内訳は、上海市4024人、遼寧省61人、河南省55人、江蘇省47人、浙江省24人、北京市17人、江西省15人、吉林省12人、河北省7人、山東省5人、雲南省2人、福建省1人、広東省1人、貴州省1人。

 無症状を含む新規感染者数は4628人で、6日連続1万人以下に。このうち上海市の報告数が4269人に上り、全体の92.2%を占めた。

 5月5日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は1万1515人(うち輸入性が165人)で、重症者は659人(輸入性はゼロ)。無症状の患者11万1906人(輸入性505人)が医学観察下にあるとのこと。

中国・上海(資料)—本紙撮影

中国・上海(資料)—本紙撮影

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロコロナ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。現時点でもゼロコロナ政策を堅持する考えを重ねて強調しており、何らかの封鎖措置が講じられている地域が多く存在する。

 このところ中国本土の多くの省市区で新規感染例の出現が続いているが、特に深刻なのが上海市。同市では3月下旬から事実上のロックダウン(都市封鎖)状態が続き、依然として本格的な解除時期は見通せない状況。ただし、このところ同市における新規感染確認数は緩やかな下落傾向を維持している。目下、市内に9000ヶ所の常設型のPCR検査スポットの設置が進められており、4日までにおよそ半数が運用を開始したとのこと。

 4月22日以降、北京市でも感染例の出現が相次ぐ。今回の再流行における感染者の累計は544人に上り、市内15の区に分布している。市当局は5日、感染例が集中する朝陽区の全域及びその他の区の重点区域において在宅勤務、特定スポット間の移動のみに限定するといった閉塞管理を実施すると発表。依然として市中に感染経路不明の患者が存在し、伝播チェーンが断ち切れていないとの見方も示された。目下、市内における防疫対策のみならず、同市への出入りについても制限強化が進む状況。

 香港・マカオと陸で接する広東省でも、今年に入って以降、広州市、深セン市、東莞市、珠海市、中山市などで断続的に市中感染確認例が出現していたが、このところ状況は落ち着いており、4月22日までに省内全域が低リスク地域に復帰した。ただし、近日は広州白雲国際空港の職員及びその同住者を中心とした新たな感染例が相次ぎ出現。なお、これまでのところ隔離対象以外の一般市中における感染例は報告されていないとされる。

 マカオ特別行政区では5月5日まで207日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。2月から3月頭にかけて感染確認数の急増があり、第5波開始以来、5月5日までの累計は約119.3万人(無症状含む)、死亡者数は9120人に。3月初旬にピークを過ぎたとされ、直近では5日まで12日連続500人以下を維持。5日単日では321人(輸入性17人含む)。これまで香港では上海市のような全域レベルでのロックダウンは実施されておらず、特定のマンションや区域を対象とした局地ロックダウンにとどまる。

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