中国本土の新型コロナ新規市中感染者数は4394人、8日連続1万人以下…上海が依然9割超も4千人下回る=5/7

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)の流入を受け、一部地域で比較的大規模な再流行が出現している。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が5月8日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月7日の中国本土における新規市中感染確認者数は329人(前日から26人減)だったとのこと。内訳は、上海市215人、北京市44人、河南省25人、広東省21人、青海省4人、吉林省3人、重慶市2人、河北省1人、内モンゴル自治区1人、黒竜江省1人、江蘇省1人、浙江省1人。このうち上海市の135人、吉林省の3人、広東省の2人、浙江省の1人の計141人が無症状から感染確認に転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは204日連続、8日連続で1千人以下となった。

 市中の無症状感染例は4065人(前日から210人減)。内訳は、上海市3760人、遼寧省85人、河南省76人、江蘇省60人、浙江省27人、吉林省21人、北京市18人、江西省8人、広東省3人、青海省2人、河北省1人、山東省1人、湖北省1人、重慶市1人、四川省1人。

 無症状を含む新規感染者数は4394人で、8日連続1万人以下に。このうち上海市の報告数が3975人に上り、全体の90.5%を占めた。

 5月7日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は9181人(うち輸入性が160人)で、重症者は533人(輸入性はゼロ)。無症状の患者9万7512人(輸入性505人)が医学観察下にあるとのこと。

中国・上海(資料)—本紙撮影

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロコロナ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。現時点でもゼロコロナ政策を堅持する考えを重ねて強調しており、何らかの封鎖措置が講じられている地域が多く存在する。

 今年に入って以降、オミクロン変異株の流入に伴い、中国本土の多くの省市区で新規感染例の出現が続いているが、特に深刻なのが上海市。同市では3月下旬から事実上のロックダウン(都市封鎖)状態が続き、依然として本格的な解除時期は見通せない状況。ただし、このところ同市における新規感染確認数は緩やかな下落傾向を維持。7日は4千人以下となり、感染確認数の半数以上は無症状から転じたケースだった。死亡例は連日報告されており、今回の流行が始まって以来の累計は536人に。

 4月22日以降、北京市でも感染例の出現が相次ぐ。7日の新規感染例の多くは朝陽区から報告されたケースとのこと。依然として市中で感染経路不明の患者が散発的に出現しているという。市内の防疫対策のみならず、同市への出入りについても制限強化が進む状況。7日時点で市内20ヶ所が高リスク地区、34ヶ所が中リスク地区に指定された。

 香港・マカオと陸で接する広東省でも、今年に入って以降、広州市、深セン市、東莞市、珠海市、中山市などで断続的に市中感染確認例が出現していたが、このところ状況は落ち着いており、4月22日までに省内全域が低リスク地域に復帰した。ただし、近日は広州白雲国際空港の職員及びその同住者を中心とした新たな感染例が相次ぎ出現。これまでのところ隔離対象以外の一般市中における感染例は報告されていないとされるが、7日から海珠区、黄埔区、白雲区、越秀区、天河区など中心部を含む市内複数の区で全員PCR検査がスタートした。また、7日には南部の湛江市で同じ倉庫会社に勤める複数人の間で相次ぎ感染例が出現。さらに、マカオに近い中山市の西北に位置する古鎮鎮でも新たに初歩陽性例が出現したことを受け、同鎮では8日早朝から防疫措置が引き上げとなっている。

 マカオ特別行政区では5月7日まで209日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が始まった。2月から3月頭にかけて感染確認数の急増があり、第5波開始以来、5月7日までの累計は約119.3万人(無症状含む)、死亡者数は9131人、死亡率は0.765%に。3月初旬にピークを過ぎたとされ、直近では7日まで14日連続500人以下を維持。7日単日では278人(輸入性18人含む)で、ピーク期以降の最少を更新した。これまで香港では上海市のような全域レベルでのロックダウンは実施されておらず、特定のマンションや区域を対象とした局地ロックダウンにとどまる。

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