香港の新型コロナ新規感染者数328人…11日ぶりに300人台まで増、ソーシャルディスタンス措置第二段階緩和は予定通り=5/17
- 2022/5/17 17:57
- 香港・大湾区
人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が続く。
2月から3月にかけて、オミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は緩やかな減少が続いたが、このところは単日200〜300人程度を行き来しており、下げ止まっている。
香港衛生当局が5月17日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から94人増の328人(輸入性39人含む)とのこと。内訳はPCR検査経由が166人、迅速抗原検査経由が162人。4日ぶりに増加、11日ぶりに300人台となったが、24日連続500人以下を維持した。第5波開始以来の累計感染者数は約119.6万人。新規の死亡報告数は2日連続ゼロで、第5波開始以来の累計死亡者数は9148人。
香港では、4月から段階的に水際措置を緩和したため、このところ輸入性の感染例が連日出現し、オミクロン変異株亜種(BA.4など)の感染者も相次ぎ見つかっている。
流行状況の安定を受けて、4月中旬から学校の対面授業再開、ソーシャルディスタンス措置の第一段階緩和と第二段階の一部先行緩和が実施された。ソーシャルディスタンス措置の緩和によって、近日はクラスターの発生が相次ぐほか、多くのエリアの下水検査で陽性や高いウイルス量が検測されている。
17日午前の行政長官臨席の会見で、予定通り19日からソーシャルディスタンス措置の第二段階緩和を実施する方針が示された。行政長官は、目下のところ流行は低位膠着状態で、リスクコントロロール可能であり、有効再生産数は今後数日にわたって1を超えるとみられるが、心配しすぎる必要はないとした。
5月16日午後8時時点の香港の3歳以上の人口におけるワクチン接種率は91.6%(1回目の接種完了)、86.0%(2回目の接種完了)となっている。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。ただし、このところは再び頭打ち状態に。16日単日の接種回数(1〜4回目の接種合計)は3万0642回で、7日移動平均は2万9056回。年齢層別の接種率(1回目の接種完了)では、3〜11歳(72.29%)、70〜79歳(80.3%)、80歳以上(65.86%)が大きく平均を下回っており、高齢者に対する訪問接種サービスを展開するなどの接種率向上策が講じられている。