マカオの銀行における国際業務割合が下落に転じる…2022年1Q

 マカオ金融管理局は5月18日、今年第1四半期(2022年1〜3月)のマカオ国際性銀行業務統計を公表。

 今年第1四半期のマカオの銀行業務全体に占める国際性業務割合は前四半期から下落に転じた。今年3月末におけるマカオの銀行システム総資産に占める国際資産の割合は昨年12月末から0.3ポイント下落の86.0%。国際負債の割合についても0.3ポイント下落の83.6%に。いずれも2四半期ぶりの下落。

 外貨はマカオの国際銀行業務における主要取引単位となっている。今年3月末における国際銀行資産と負債に占めるマカオパタカの割合は1.0%と0.7%。香港ドル、米ドル、人民元、その他外貨の国際資産に占める割合は30.3%、46.4%、17.9%、4.4%、国際負債に占める割合は36.9%、39.6%、20.2%、2.6%。

 今年3月末におけるマカオの銀行の国際資産総額は、昨年12月末から1.0%減の2兆2884億マカオパタカ(日本円換算:約36兆5457億円)。このうち、対外資産は0.2%減の1兆7615億マカオパタカ(約28兆1311億円)、マカオにおける外貨資産は3.7%減の5269億マカオパタカ(約8兆4146億円)。国際資産の主要構成要素である外地におけるノンバンクローンは7.4%増の7944億マカオパタカ(約12兆6866億円)。

 今年3月末におけるマカオの銀行の国際負債総額は、昨年12月末から1.0%減の2兆2250億マカオパタカ(約35兆5332億円)。このうち、対外負債は0.4%減となる1兆3643億マカオパタカ(約21兆7862億円)、マカオにおける外貨負債は1.9%減の8607億マカオパタカ(約13兆7443億円)。外地の銀行によるマカオの銀行への各種外貨預金が国際負債の主要な構成要素となっており、今年3月末における残高は前年同時期から4.3%減の7334億マカオパタカ(約11兆7115億円)。

 マカオの国際銀行業務は主にアジア及び欧州に分布している。今年3月末におけるマカオの銀行システムの対外資産のうち、対中国本土及び香港の債権が占める割合が43.8%、26.7%を占め、ルクセンブルク及びポルトガルが1.0%及び0.7%、ポルトガル語圏諸国及び「一帯一路」周辺国家が1.1%及び9.3%。対外負債全体に占める対中国本土及び香港の割合は40.5%及び35.6%、英国及びフランスが4.3%及び2.7%、ポルトガル語圏諸国及び「一帯一路」周辺国家が0.5%及び9.8%。

 マカオ国際性銀行業務統計は国際決済銀行(BIS)が提唱する方法で作成されたもの。

マカオ金融管理局ビル(資料)=2020年7月本紙撮影

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