マカオの2022年1Q旅客総消費額、対前年6.7%増…インバウンド旅客回復受け、1人あたり平均は1.2%減

 マカオは人口約68万人、面積約32平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリをはじめとした国際イベントが数多く開催されるアジア有数の観光都市として知られる。

 しかしながら、2020年1月下旬以降、新型コロナウイルス感染症防疫対策の一環で入境制限を含む厳格な水際措置が講じられた影響を受け、インバウンド旅客数が激減。一方で、同年第3四半期以降にかけて両地の間の往来制限は段階的に緩和され、隔離検疫なしでの相互往来が再開したことから、インバウンド旅客は中国本土からが主となっている。

 昨年通期のインバウンド旅客数は前年から30.7%増の770万5943人だったが、新型コロナの影響が生じる前にあたる2019年との比較では8割超のマイナス。全体に占める中国本土旅客の割合は91.4%。今年1〜3月累計のインバウンド旅客数は前年同時期から8.0%増の187万6847人。内訳は、日帰り旅客が46.0%増の119万6122人、宿泊を伴う旅客が25.9%減の68万0725人で、約9割が中国本土旅客。

 マカオ政府統計調査局は5月19日、今年第1四半期(2022年1〜3月)の旅客消費調査(ギャンブル消費を除く)結果を公表。旅客総消費額はインバウンド旅客の回復に伴い、前年同期から6.7%増の65.9億パタカ(日本円換算:約1048億円)だった。内訳は宿泊を伴う旅客が4.7%減の53.3億パタカ(約848億円)、日帰り旅客が1.1倍増の12.6億パタカ(約200億円)。

 一方、今年第1四半期の旅客1人あたりの平均消費額は消費額が比較的少ない日帰り旅客の増を受けて、1.2%減の3514パタカ(約5万5900円)。内訳は宿泊を伴う旅客が28.7%増の7833パタカ(約12万4600円)、日帰り旅客が46.9%増の1056パタカ(約1万6800円)。また、中国本土旅客の限ると1.8%減の3582パタカ(約5万7000円)で、個人旅客については0.6%増の7173パタカ(約11万4100円)に。

 今年第1四半期の旅客消費の7割(70.1%)をショッピングが占め、以下は飲食(13.9%)、宿泊(12.7%)と続いた。旅客1人あたり平均のショッピング消費額は8.1%増の2464パタカ(約3万9200円)で、購入品目別では化粧品・香水が700パタカ(約1万1100円)、ハンドバッグ・靴類が459パタカ(約7300円)、食品系土産が374パタカ(約5900円)。渡航目的別ではバケーションを目的とした旅客の1人あたり平均消費額が最も高く、14.7%増の7792パタカ(約12万3900円)。なお、ショッピング目的は48.6%減の2159パタカ(約3万4300円)、親族訪問目的は35.7%減の1997パタカ(約3万1800円)。

マカオ歴史市街地区にあるモンテの砦から望む町並み(資料)=2020年4月本紙撮影

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