中国本土の新型コロナ新規市中感染者数は44人、9日連続100人以下…広東省深圳・珠海で防疫措置引き上げ=6/23

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)の流入を受け、上海や北京など一部地域で比較的大規模な再流行が発生した。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が6月24日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月23日の中国本土における新規市中感染確認者数は18人(前日から5人増)だったとのこと。内訳は、内モンゴル自治区14人、上海市2人、北京市1人、広東省1人(深圳市)。このうち、内モンゴル自治区の13人が無症状から感染確認へ転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは251日連続で、12日連続100人以下となった。

 市中の無症状感染例は26人(前日から8人増)。内訳は、吉林省8人、遼寧省7人、広東省4人(深圳市)、広西チワン族自治区4人、北京市2人、上海市1人。

 無症状を含む新規感染者数は44人で、9日連続100人以下を維持した。

 5月末にロックダウンが解除となった上海市では目立ったリバウンドは出現していないものの、依然として社会面(隔離対象ではない一般市中)における感染者が散発的に出現しており、同市ではPCR検査によるスクリーニングが強化されている。25日には浦東区と長寧区で全民PCR検査が予定されており、検査期間中は閉塞管理が実施されるとのこと。

 4月下旬から再流行が続く北京市については、一旦は多くのエリアで社会面におけるゼロコロナを達成し、一部を除いて正常化が進んだ後に朝陽区にあるバー(クラブ規模の大型施設)で300人超のクラスターが発生するも、近日になって伝播チェーンはほぼ寸断できたとされている。

 香港・マカオと隣接する広東省では、5月下旬までに状況は落ち着いたが、近日は香港寄りの深圳市で連日感染例が出現している。これを受けて、24日から全市レベルで交通関連、密閉空間にある公共施設を利用する際、48時間以内のPCR検査陰性証明または当日検体を採取した証明の提示を必須とされた。

 6月23日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は660人(うち輸入性が267人)で、重症者は3人(輸入性ゼロ)。無症状の患者1210人(輸入性554人)が医学観察下にあるとのこと。

 このところ中国本土の状況は安定してきた一方で、香港ではソーシャルディスタンス措置の第二次緩和後に感染確認数の増加が続き、6月23日まで8日連続で市中感染確認数が1千人超となった。マカオについては約8ヶ月にわたって市中感染確認数ゼロを維持してきたが、18日深夜から陽性者の出現が相次ぎ、23日夕方までの累計は110人に。マカオでは19日以降、全市民を対象としたPCR検査及び迅速抗原検査によるスクリーニングが断続的に実施されており、検査を通じて新たな陽性者の発見が続いている。目下のマカオ市中の流行株は感染力が強いとされるオミクロン変異株派生型のBA.5とみられる。

 マカオの状況を踏まえ、地理的に近く、往来も多い広東省珠海市などでは流入に対する警戒が高まっている。一部地域でPCR検査によるスクリーニングのほか、マカオからの入境者に対する検疫強化も実施されている。22日から、マカオから珠海市へ入境する場合、7日間の専門施設での隔離(自費)と自宅での隔離(不要不急の外出なし)が必須となった。これまでに広東省内でマカオからの複数の入境者の陽性が判明しており(23日は珠海市で2人、東莞市で1人の計3人)、輸入性症例としてカウントされている。

中国広東省深圳市の繁華街「東門歩行街(老街)」(資料)—本紙撮影

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