マカオ市中でオミクロン「BA.5.1」感染拡大続く…6/18以降の陽性者累計170人に、今後も増加見通し

 マカオでは、約8ヶ月にわたって新型コロナの市中感染確認例ゼロを維持していたが、6月18日深夜以降、陽性者の出現が続いている。

 今回の流行は、感染力が非常に強いとされるオミクロン変異株派生型の「BA.5.1」によるものとされ、人口密度が極めて高いマカオにとって、大きな脅威となっている。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは6月24日午後5時から会見を開き、今回のアウトブレイクに関する各種最新情報を発表した。

 同日午後3時までのPCR検査を経て陽性が確定した人の数は累計170人で、同日午前8時時点から21人増。内訳は女性が106人、男性が64人で、年齢は8ヶ月〜89歳。このうち症状ありが41人、無症状が129人。これまでのところ無症状の人の中から症状が出現した人はいないとのこと。

 陽性者は暫定的に6つのグループに大別されるとした(*第6グループが新規追加)。第1グループはマカオ半島中央部の新橋エリアにあるアパート「艷麗大廈」の同じ部屋に居住する海外労働者群(すべてミャンマー国籍)と関連する78人、第2グループは艷麗大廈の道路を隔てて向かいにあるアパート「達昌大廈」に居住する矯正施設勤務者の家族と関連する59人、第3グループはマカオ半島北部の黒沙環エリアにある「添豊乾洗有限公司」と関連する10人、第4グループがマカオ半島北西の沙梨頭エリアにあるフィットネスクラブ「ODヘルスクラブ」と関連する3人、第5グループがマカオ半島新口岸エリアにあるビル「国際中心」に関連する2人、第6グループがコタイ地区にあるショッピングモール「ショップスアットフォーシーズンズ」のスタッフ更衣室に関連する4人。これらに含まれない14人については疫学調査中。第1、第2、第3、第5グループの間には接点があるとされているが、第4、第6グループについては他グループとの明瞭な関連性が見つかっていないという。加えて、マカオと隣接する広東省珠海市でもマカオからの入境者10人の陽性が明らかになっており、マカオの第1、第2グループと関連するケースとみられる。

 また、これまでに疫学調査を通じて隔離の対象とされた人の数は5867人に上っている。検疫対象の増加に伴い、24日午前6時からコタイ地区のマカオドーム内の臨時コミュニティ治療センターの一部が検疫センターとして運用を開始した。

 マカオでは6月19日以降、スクリーニングとして全市民を対象としたPCR検査(義務的)が2回(2回目は現在進行中)、迅速抗原検査が1回、さらに、一部重点区域、重点人群に対象を絞った追加のPCR検査が1回実施され、多くの陽性者の発見に至っている。現在進行中の2回目の全市民PCR検査でも陽性者が見つかっていることから、当局は依然として市中に伝播チェーンが存在するとの見方を示し、しばらくの間、感染者の増が続くとの見通しを示した。また、今後も迅速抗原検査、重点区域に限ったPCR検査などを通じてスクリーニングを行うことを検討しているが、現状を鑑みると、時期は未定ではあるものの、3回目の全市民PC検査を実施する可能性は高いとした。

 複数の陽性者が出現したことで局地ロックダウン(封鎖及び外出不可)対象とされた場所(ビル及び店舗単位)も増えており、現時点では計13ヶ所となっている。

 このほか、感染源の特定には至っていないが、発端は1つである可能性が大きいことが明らかにされた。

全館が局地ロックダウンの対象となった「ホテルフォーチュナ」正面玄関前で防疫任務にあたる警察官(写真:GCS)

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