マカオのオミクロンBA.5市中感染拡大…単日98人増、6/18以降の累計357人に=3回目の全市民PCR検査実施中

 人口約68万人のマカオでは、約8ヶ月にわたって新型コロナの市中感染確認例ゼロを維持していたが、6月18日深夜以降、陽性者の出現が続いている。

 今回の流行は、感染力が非常に強いとされるオミクロン変異株派生型の「BA.5」によるものとされ、1平方キロメートルあたりの人口密度が2万人超と極めて高いマカオにとって、大きな脅威となっている。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは6月27日午前、今回のアウトブレイクに関する各種最新情報を発表。

 27日午前0時までの直近24時間にPCR検査を経て陽性が確定した人の数(市中感染事例に限る)は96人(一般市中50人、隔離対象46人)で、6月18日以降の累計357人となった。

 また、27日午前8時までに隔離検疫の対象とされた人の数は8283人に上るとのこと。内訳は、濃厚接触者が1102人、非核心濃厚接触者(陽性者と居合わせた)が5550人、二次濃厚接触者が296人、一般接触者が337人、付き添い人が641人。

 マカオでは6月19日以降、全市民を対象とした義務的なPCR検査及び迅速抗原検査、さらには一部重点区域、重点人群に対象を絞った追加のPCR検査によるスクリーニングが複数回にわたって実施され、いずれも多くの陽性者の発見に至っている。目下(27日午前9時から28日午後6時まで)、3回目の全市民PCR検査が実施されている。検査会場では各人に迅速抗原検査キットが5セット、KN95フェイスマスクが10枚ずつ配布される。

 複数の陽性者が出現したことで局地ロックダウン(封鎖及び外出不可)対象とされる場所(ビル及び店舗単位)も次々と出現している。また、レストランのイートイン営業が禁止(テイクアウトに限った営業は可)、映画館やフィットネスクラブなど屋内エンターテインメント・レジャー施設も閉鎖に。政府部門や銀行の窓口の休業も7月1日まで延長され、当局は民間企業についてもテレワークなどを活用し、人流減に協力するよう呼びかけた。なお、局地ロックダウンの対象となった場所を除いて、市民の外出は可能な状況となっているが、政府は伝播リスク軽減のため、不要不急の外出を控えるよう呼びかけている。25日からは公共路線バスの間引き運転(路線により4〜60%減)が開始されたほか、警察官の巡回を増やし、人の集まる状況を発見した場合に帰宅の呼びかけを強化も行われるようになった。なお、カジノ施設については、局地ロックダウンとなったホテルフォーチュナ内の施設を除いて営業を継続している。カジノ監理局にあたるDICJによれば、カジノ入場にあたって48時間以内のPCR検査陰性証明及び毎日の迅速抗原検査陰性結果の提示を求める措置を講じ、カジノ従業員はKN95またはN95規格のマスクを着用しているとのこと。

マカオの全市民対象PCR検査会場の様子(写真:GCS)

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