中国本土の新型コロナ新規市中感染者数は39人…14日連続100人以下、隔離検疫期間7日間へ短縮に=6/28

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)の流入を受け、上海や北京など一部地域で比較的大規模な再流行が発生した。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が6月29日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月28日の中国本土における新規市中感染確認者数は3人(前日から2人増)だったとのこと。内訳は江蘇省2人、広東省1人。中国本土で市中感染確認例が出現するのは256日連続で、17日連続100人以下となった。

 市中の無症状感染例は36人(前日から15人増)。内訳は、安徽省15人、天津市9人、江蘇省4人、遼寧省3人、広東省2人、北京市1人、四川省1人、雲南省1人。

 無症状を含む新規感染者数は39人で、14日連続100人以下を維持した。

 6月28日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は464人(うち輸入性が305人)で、重症者は1人(輸入性ゼロ)。無症状の患者870人(輸入性483人)が医学観察下にあるとのこと。

 5月末にロックダウンが解除となった上海市では、特に目立ったリバウンドは出現していないが、定期PCR検査によるスクリーニングの実施が実施されている。同市では一旦6月24日に直近の再流行が始まって以降で初めてとなる新規市中感染確認ゼロを達成。以降で感染例が出現したのは26日のみ。

 4月下旬から再流行が続く北京市については、一旦状況が落ち着いた後に朝陽区のバー(クラブ規模の大型施設)で300人超のクラスターが発生したものの、すでに伝播チェーンの寸断に成功したとされ、近日は再び正常化が進んでいる。28日の無症状感染者1人は隔離対象の中から発見されたケースとのこと。

 香港・マカオと隣接する広東省では、5月下旬までに状況は落ち着いたが、近日は香港寄りの深圳市で連日市中感染例が出現している。28日の同省内の新規市中感染例(感染確認1人、無症状2人)はすべて深圳市のケースで、2人が隔離対象者の中から、1人が市中におけるスクリーニングを通じてそれぞれ発見されたものとのこと。同市では24日から交通関連、密閉空間にある公共施設を利用する際、48時間以内のPCR検査陰性証明または当日検体を採取した証明の提示を必須するなど、防疫対策が強化されている。

 このところ中国本土の状況が落ち着いてきた一方で、香港ではソーシャルディスタンス措置の第二次緩和後に市中感染確認数の緩やかなリバウンドが続き、6月28日まで13日連続で市中感染確認数が1千人超となった。マカオについては約8ヶ月にわたって市中感染確認数ゼロを維持してきたが、18日深夜から陽性者の出現が相次ぎ、28日午前0時までの累計は414人に。マカオでは19日以降、全市民を対象としたPCR検査及び迅速抗原検査によるスクリーニングが断続的に実施されており、検査を通じて新たな陽性者の発見が続く状況。目下のマカオ市中の流行株は感染力が強いとされるオミクロン変異株派生型のBA.5.1とみられる。マカオの状況を踏まえ、地理的に近く、往来も多い広東省珠海市などでは流入に対する警戒が高まっている。

 このほか、NHCは6月28日、近日は防疫対策の効果が顕著に現れ、中国本土全体として落ち着いた状況にあるとした上、局地的に社会面(隔離対象ではない一般市中)における感染経路不明の事例の出現が続いており、伝播リスクは依然存在するとの見方を示した。

 同日、中国国務院は最新の防疫プランを発出。濃厚接触者と入境者に対する検疫期間について、現行の「14日間の指定施設での集中隔離+7日間の自宅健康モニタリング(14+7)」から「7+3」へと大幅短縮となった。新措置では、隔離検疫期間中の1、2、3、5、7日目と自宅健康モニタリング3日目にPCR検査を受けることが求められる。また、局地ロックダウンとなるリスクゾーンの基準についても、高リスクゾーン内で7日間連続新規感染者ゼロで中リスクへ、中リスクゾーン内で3日連続新規感染者なしで低リスクへそれぞれ変更されるとのこと。現在主流となっているオミクロン変異株は潜伏期間が短いことを踏まえての調整とみられる。

中国・上海浦東国際空港(資料)—本紙撮影

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