中国本土の新型コロナ新規市中感染者数が4日連続300人超…安徽省が主、上海でも2桁=7/5

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)の流入を受け、上海や北京など一部地域で比較的大規模な再流行が発生した。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が7月6日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月5日の中国本土における新規市中感染確認者数は112人(前日から43人増)だったとのこと。内訳は安徽省81人、上海市9人、福建省8人、北京市5人、江蘇省4人、浙江省2人、山東省1人、四川省1人、陝西省1人。このうち安徽省の34人、福建省の6人、江蘇省の2人、浙江省の2人、山東省の1人、四川省の1人の計46人が無症状から感染確認へ転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは263日連続で、23日ぶりに100人超となった。

 市中の無症状感染例は241人(前日から25人減)。内訳は、安徽省141人、江蘇省61人、上海市15人、陝西省10人、福建省6人、天津市5人、北京市1人、広東省1人、四川省1人。

 無症状を含む新規感染者数は353人で、6日連続100人超、また4日連続300人超となった。

 7月5日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は724人(うち輸入性が321人)で、重症者は1人(輸入性ゼロ)。無症状の患者1951人(輸入性388人)が医学観察下にあるとのこと。

 近日、安徽省では感染例の増が続いており、宿州市泗県が大半を占める。同県でロックダウン(外出不可)状態に入っており、現在は8回のPCR検査によるスクリーニングが実施されているとのこと。7回目の検査は53万人超が受検し、社会面(隔離対象ではない一般市中)から14人、隔離対象から194人の陽性者の発見に至ったという。

 上海市の市中感染例は2桁(24人)となったが、いずれも隔離対象の中から見つかったとのこと。同市では、7月2日に浦東国際空港から入境した航空サービス員の感染が明らかとなり、これをきっかけにし市中へ流入したとみられる。5日から7日にかけて黄浦区など9つの区の全域及び浦東新区、嘉定区、奉賢区の一部を対象に全住民に対するPCR検査(3日間で2回受検)が実施されることとなった。市当局は近日市中で見つかった陽性者の活動範囲が広いため、市中に潜在的伝播リスク存在するとの見方を示している。6日朝には新たに社会面で2人の感染確認があり、虹口区と松江区のそれぞれ一部が高リスク地区に指定されたとのこと。

 上海市と隣接する江蘇省でも連日2桁の感染例出現が続く。5日の感染例は無錫市と徐州市はおよそ半々。ほかにも、各地で局地的に再流行が出現している。

 このところ中国本土の状況が総じて落ち着いてきた一方で、香港ではソーシャルディスタンス措置の第二次緩和後に市中感染確認数の緩やかなリバウンドが続き、直近の単日では2千人前後。マカオについては約8ヶ月にわたって市中感染確認数ゼロを維持してきたが、6月18日深夜から陽性者の出現が相次ぎ、5日午前0時までの累計は941人に。マカオでは19日以降、全市民を対象としたPCR検査及び迅速抗原検査によるスクリーニングが高頻度で実施されており、検査を通じて新たな陽性者の発見が続く。目下のマカオ市中の流行株は感染力が強いとされるオミクロン変異株派生型のBA.5.1とされている。マカオの状況を踏まえ、地理的に近く、往来も多い広東省珠海市などでは流入に対する警戒が高まっている。

中国・上海(資料)—本紙撮影

中国・上海(資料)—本紙撮影

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