香港の新型コロナ新規感染確認者数が24日連続4千人超…隔離検疫期間短縮受け輸入性増加予想=8/14
- 2022/8/14 19:06
- 香港・大湾区
人口約730万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が続く。
2月から3月にかけて、オミクロン変異株派生型のBA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は緩やかな減少が続いたが、長く単日200〜300人程度でこう着状態を維持した後、6月中旬から目立ったリバウンドが出現している。
香港衛生当局が8月14日夕方の会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規市中感染確認数は前日から379人減の4764人、輸入性は30人増の215人だった。
輸入性のうち、隔離検疫期間満了後の到着4〜7日目に市中の検査センターで受検したPCR検査を経て発見に至ったケースは22人だった。前週から隔離検疫期間の短縮(7日間から3日間へ)が実現したことを受けて、今後輸入性感染例の増が予想されるが、想定の範囲内とした。このところ新規感染者全体に占めるオミクロンBA.4あるいはBA.5の割合が増加傾向を維持しており、23.1%に達したとのこと。BA.2.12.1は7.3%。
市中と輸入性の合計は前日から349人減の4979人で、24日連続4千人超となった。第5波開始以来の累計感染確認数は約140.4万人。
新規死亡報告数は3人で、年齢は80〜89歳。このうち1人は新型コロナワクチンを3回接種していたが、残る2人は未接種だったとのこと。第5波開始以来の累計死亡者数は9352人に。
香港では、4月から段階的に水際措置を緩和して以降、輸入性の感染例が連日出現しており、オミクロン変異株派生型の感染者も相次ぎ見つかっている。3月下旬以降に一旦流行状況が安定したことを受けて、4月中旬から5月中旬にかけて学校の対面授業再開、ソーシャルディスタンス措置の緩和(第一段階及び第二段階)が進んだ。
ただし、5月19日のソーシャルディスタンス措置の第二段階緩和でバーの営業が再開可能となって以降、複数のバーで大規模なクラスターの発生が相次いだほか、隔離検疫ホテルで発生した交差感染をきっかけに市中でのオミクロンBA2.12.1の伝播につながったケースなどもある。こうした状況や6月中旬以降のリバウンドを踏まえ、ソーシャルディスタンス措置の一層の緩和は見合わせが続いており、少なくとも8月24日までは現状維持が決まっている。
8月13日時点の香港の3歳以上の人口におけるワクチン接種率は93.1%(1回目の接種完了)、89.8%(2回目の接種完了)、68.8%(3回目の接種完了)となっている。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化を受け、年初にかけて一気に上昇。ただし、一旦状況が落ち着き、こう着状態となって以降は再び頭打ち状態に。13日単日の接種回数(1〜4回目の接種合計)は2万0399回で、7日移動平均は1万6211回。年齢層別の接種率(1回目の接種完了)では、3〜11歳(78.28%)、70〜79歳(82.31%)、80歳以上(70.14%)が大きく平均を下回っており、高齢者に対する訪問接種サービスを展開するなどの接種率向上策が講じられている。