香港の新型コロナ新規感染確認者数は9033人…月内最少、わずかに沈静化の兆候=9/11
- 2022/9/11 18:36
- 香港・大湾区
人口約730万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が続く。
香港衛生当局が9月11日夕方の会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規市中感染確認数は前日から698人減の8904人、輸入性は56人減の129人だった。
市中と輸入性の合計は前日から754人減の9033人。2日連続1万人以下となり、9月に入って以降の最少に。第5波開始以来の累計感染確認数は約163.9万人。
新規死亡報告数は11人で、年齢は46〜95歳。このうち6人が3回目のワクチン接種を受けていなかったという。第5波開始以来の累計死亡者数は9586人に。
直近の公立病院の入院患者数(新型コロナ感染者)は2711人で、このうち新規の入院患者が340人。いずれも前日から増加した。
感染者数の増と比例して入院患者数も増加の一途にあり、8月下旬からランタオ島のアジアワールドエキスポ内の臨時病院が再稼働したほか、公立病院における病床調整プランも発動され、コロナ患者用の病床確保が進む。その一方で、緊急性を要しない医療サービスに影響が及んでいる。院内感染や医療従事者の感染が相次ぐほか、高齢者介護施設などグループホームでもクラスターが頻繁に出現する状況。
香港では2月から3月にかけて、オミクロン変異株派生型のBA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は緩やかな減少が続いたが、長く単日200〜300人程度でこう着状態を維持した後、6月中旬からは主流株のオミクロンBA.5への置き換わりが進んだことで、目立ったリバウンドが出現している。2〜3月にかけてのピーク後には、水際措置及びソーシャルディスタンス措置の段階的緩和があった。リバウンドの出現を受けて、ソーシャルディスタンス措置については追加緩和の見合わせが続く。
当局は、わずかながら流行沈静化の兆しもみえるとの認識を示した上で、しばらく様子を見る必要があり、またオミクロンBA.5の占める比率がピークに達したかどうかの見極め、中秋節連休後のリバウンド有無にも注目しているとした。
新規市中感染例に占める変異株の割合について、最新データではBA.5が66.4%(BA.4を含むと約75%)、BA.2.2が20%で、前日と同水準だったとのこと。
9月10日時点の香港の3歳以上の人口におけるワクチン接種率は93.7%(1回目の接種完了)、91.1%(2回目の接種完了)、74.2%(3回目の接種完了)となっている。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化やワクチンパス制度の導入を受け、年初にかけて一気に上昇。ただし、一旦状況が落ち着き、こう着状態となって以降は再び頭打ち状態に。10日単日の接種回数(1〜4回目の接種合計)は3万3344回で、7日移動平均は2万9295回。年齢層別の接種率(1回目の接種完了)では、3歳以下(14.3%)、3〜11歳(81.93%)、70〜79歳(82.77%)、80歳以上(70.78%)が大きく平均を下回っており、高齢者に対する訪問接種サービスを展開するなどの接種率向上策が講じられている。