香港の新型コロナ新規感染確認者数は8187人…6日連続1万人以下、オミクロンBA.4/BA.5の占める割合は79.6%に=9/15

 人口約730万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が続く。

 香港衛生当局が9月15日夕方の会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規市中感染確認数は前日から605人増の8023人、輸入性は3人増の164人だった。

 市中と輸入性の合計は前日から608人増の8187人。6日連続で1万人以下を維持した。第5波開始以来の累計感染確認数は約167.0万人。

 新規死亡報告数は6人で、年齢は73〜95歳。このうち5人が3回目のワクチン接種を受けていなかった。第5波開始以来の累計死亡者数は9623人に。

 直近の公立病院の入院患者数(新型コロナ感染者)は2812人で、このうち新規の入院患者が361人。容体は危篤が49人、深刻が58人などとのこと。入院患者数は前日から減少したが、新規入院患者数は増加。

 感染者数の増と比例して入院患者数も増加の一途にあり、8月下旬からランタオ島のアジアワールドエキスポ内の臨時病院が再稼働したほか、公立病院における病床調整プランも発動され、コロナ患者用の病床確保が進む。その一方で、緊急性を要しない医療サービスに影響が及んでいる。院内感染や医療従事者の感染が相次ぐほか、高齢者介護施設などグループホームでもクラスターが頻繁に出現する状況。

 香港では2月から3月にかけて、オミクロン変異株派生型のBA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は緩やかな減少が続いたが、長く単日200〜300人程度でこう着状態を維持した後、6月中旬からは主流株のオミクロンBA.5への置き換わりが進んだことで、目立ったリバウンドが出現している。2〜3月にかけてのピーク後には、水際措置及びソーシャルディスタンス措置の段階的緩和があった。リバウンドの出現を受けて、ソーシャルディスタンス措置については追加緩和の見合わせが続く。

 新規市中感染例に占める変異株の割合について、最新データではBA.4/BA.5が79.6%とのこと。当局は、8月頭から急上昇を続けてきたが、近日は上昇スピードがスローダウンしており、短期内にピークに達するとの見方を示した。また、中秋節ホリデー終了後に単日新規感染確認者数が緩やかな増となっていることについては、情勢を注視する必要があるとした。

 9月15日時点の香港の3歳以上の人口におけるワクチン接種率は93.8%(1回目の接種完了)、91.3%(2回目の接種完了)、75.6%(3回目の接種完了)となっている。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化やワクチンパス制度の導入を受け、年初にかけて一気に上昇。ただし、一旦状況が落ち着き、こう着状態となって以降は再び頭打ち状態に。15日単日の接種回数(1〜4回目の接種合計)は2万7487回で、7日移動平均は2万8855回。年齢層別の接種率(1回目の接種完了)では、3歳以下(15.03%)、3〜11歳(82.51%)、70〜79歳(82.85%)、80歳以上(70.88%)が大きく平均を下回っており、高齢者に対する訪問接種サービスを展開するなどの接種率向上策が講じられている。

香港特別行政区のイメージ(資料)—本紙撮影

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