中国本土の新型コロナ新規市中感染者数が50日ぶり2千人超に=10/10

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株の流入を受け、上海や北京といった主要都市を含む一部地域で比較的大規模な再流行が発生した。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が10月11日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月10日の中国本土における新規市中感染確認者数は427人(前日から54人増)だったとのこと。11日連続100人超に。内訳は内モンゴル自治区145人、新疆ウイグル自治区82人、広東省38人、重慶市26人、四川省18人、山西省16人、北京市13人、河南省12人、遼寧省11人、雲南省11人、寧夏回族自治区10人、陝西省9人、浙江省7人、福建省6人、湖南省5人、上海市4人、江蘇省4人、チベット自治区4人、広西チワン族自治区3人、安徽省1人、山東省1人、貴州省1人。このうち内モンゴル自治区の47人、広東省の10人、四川省の7人、河南省の6人、浙江省の5人、重慶市の5人、遼寧省の4人、福建省の4人、新疆ウイグル自治区の4人、湖南省の3人、江蘇省の2人、広西チワン族自治区の1人、雲南省の1人、寧夏回族自治区の1人の計100人が無症状から感染確認へ転じた事案。

 市中の無症状感染例は1662人(前日から96人増)。内訳は内モンゴル自治区637人、新疆ウイグル自治区375人、四川省177人、甘粛省55人、寧夏回族自治区39人、雲南省37人、湖北省29人、河南省26人、広東省25人、上海市24人、重慶市24人、江蘇省23人、山西省21人、チベット自治区21人、安徽省20人、河北省18人、遼寧省18人、山東省17人、湖南省16人、陝西省15人、吉林省14人、天津市7人、黒竜江省6人、浙江省6人、貴州省6人、広西チワン族自治区3人、福建省2人、北京市1人。

 無症状を含む新規感染者数は2089人で、2日連続増。また、6日連続1千人超となり、8月20日以来の2千人超に。

 10月10日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は4104人(うち輸入性が644人)で、重症者は11人(輸入性ゼロ)。無症状の患者1万2828人(輸入性884人)が医学観察下にあるとのこと。

 10月10日に新規感染者の報告があった省市区の数は前日から1つ少ない28。このうち3桁となったのは内モンゴル自治区(782人)、新疆ウイグル自治区(457人)、四川省(195人)で、これら3省区の合計が全体の68.6%を占めた。

 内モンゴル自治区は5日連続600人超。大半が無症状で、フフホト市と包頭市に集中。同自治区の今回の流行はオミクロン変異株の亜系統にあたるBF.7によるものとされ、他省へ流出したとみられるケースも報告されているという。

 香港・マカオに隣接する広東省では、しばらく落ち着いた状況が続いた後、8月5日以降は連日複数の感染例が出現している状況。10日の新規感染者数は63人で、広州市、深圳市、珠海市など10都市に分布。このうちマカオに隣接する珠海市では2人の無症状患者が出現し、香洲区の一部で11、12日にかけて大規模PCR検査によるスクリーニングが実施される模様。

 このほか、北京市でも2桁となり、朝陽区、昌平区、東城区、通州区に分布しているとのこと。

 中国本土の状況は総じて落ち着いている一方で、香港ではソーシャルディスタンス措置の第二次緩和後に市中感染確認数の緩やかなリバウンドが続き、一旦1万人(輸入性含む)水準まで増加した後、直近では3〜4千人台で推移。9月26日からは入境時の義務的隔離検疫も不要となり、事実上ウィズコロナに転換したといえる。入境時隔離検疫撤廃後も感染者数に大きな変化は生じていない。マカオについては1ヶ月以上にわたって市中感染確認数ゼロの落ち着いた状態を維持。こちらは中国本土に倣ってゼロコロナ政策を堅持する方針を示している。

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

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