不動産関連の東通グループがマカオに支店開設…両地のビジネス交流促進に意欲
- 2022/10/15 17:04
- 澳日関係
このほど、東京に本拠地を置く東通グループがマカオに支店を開設した。
東通グループは、投資法人の東通不動産投資株式会社、建築開発法人の東通建物株式会社、管理会社法人の東通コミュニティ株式会社で構成され、親会社はマカオの不動産大手として知られる信託地産(トラストディベロップメント)だ。2019年の設立以来、東京都心部を中心にオフィスビル、マンション、土地など数百億円規模を投じてきた。
マカオ資本の日本法人がマカオに支店を開設するのは非常に珍しいケースといえる。その意図などについて、東通グループ創業者で東通不動産投資株式会社の代表取締役を務める鄭建東(ヒューゴ・チャン)氏に話を聞いた。
東通グループの事業内容や実績について
2019年設立の東通不動産投資株式会社は不動産投資を主業務とし、これまでに350億円超を投じて東京都心を中心に約100物件を取得しました。また、不動産投資の拡大に伴い、土地開発事業を担う東通建物株式会社、不動産管理サービス事業及び「LOF」ブランドのホテル、シェアオフィスなどの運営を担う東通コミュニティ株式会社を相次いで設立しています。ここまで3年間で、ホテル、不動産投資リース・トレード、シェアオフィス、不動産開発などの事業分野に進出し、グループ全体の従業員数は約50名となりました。2022年時点で東京都心を主として保有・管理する資産は300億円超に上り、2023年は500億円、10年目には3000億円の達成をそれぞれ目標とし、年平均2桁成長を維持できるよう、日本におけるビジネスの拡大に取り組んでいます。
マカオから日本への進出を決断した経緯、またマカオ企業が海外進出を選択する優位性やメリットとは?
海外進出の最も大きな要因として、近年マカオにおける土地資源が不足しており、民間物件の供給量が相対的に少なくなってきたことが挙げられます。進出先として日本を選んだ理由については、日本の不動産市場がより成熟、安定していること、投資収益率が高く、価格上昇潜在力があること、さらには日本の法律・法規が整っており、透明であると判断したためです。私たちにとって新たな環境となりますが、真摯に、そして謙虚に学び、大胆に変化することで適応し、道を切り開いていけると信じています。
日本でのビジネス経験を通じて感じたことは?
どのようにマカオと日本の企業文化を共存させるか、共通目標を設定するか、海外スタッフのマネジメントを行うか、またよりよいトップマネジメントやフロンティア精神を発揮するやり方の模索など、自分にとって何事も「知るは易し、行うは難し」の連続でしたが、それぞれうまく行った際には、大きな成功体験を得ることができました。