中国本土の新型コロナ新規市中感染者数が半年ぶり4千人超…広東省広州市で3年来最悪の状況に=11/5

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株の流入を受け、上海や北京といった主要都市を含む一部地域で比較的大規模な再流行が発生した。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が11月6日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月5日の中国本土における新規市中感染確認者数は526人(前日から70人減)だったとのこと。内訳は広東省252人、北京市43人、内モンゴル自治区43人、重慶市40人、山西省35人、新疆ウイグル自治区23人、河南省16人、湖南省11人、雲南省11人、陝西省9人、黒竜江省7人、山東省7人、四川省6人、甘粛省6人、青海省5人、福建省4人、江蘇省2人、貴州省2人、河北省1人、遼寧省1人、浙江省1人、江西省1人。このうち広東省の119人、甘粛省の6人、陝西省の3人、北京市の2人、黒竜江省の2人、福建省の2人、重慶市の2人、四川省の2人、山西省の1人、浙江省の1人、雲南省の1人の計141人が無症状から感染確認へ転じた事案。

 市中の無症状感染例は3894人(前日から831人増)。内訳は広東省1330人、内モンゴル自治区649人、新疆ウイグル自治区516人、黒竜江省296人、湖南省253人、河南省174人、青海省100人、山西省91人、山東省77人、湖北省67人、重慶市61人、甘粛省60人、雲南省39人、福建省38人、河北省29人、四川省26人、遼寧省19人、陝西省13人、天津市11人、江蘇省10人、寧夏回族自治区9人、北京市6人、吉林省6人、上海市5人、チベット自治区3人、浙江省2人、安徽省2人、江西省1人、貴州省1人。

 無症状を含む新規感染者数は4420人で、2日ぶり増。また、4千人超となるのは今年5月以来、約半年ぶり。当時は上海で大規模なロックダウンが実施されていた。

 11月5日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は6324人(うち輸入性が532人)で、重症者は29人(輸入性ゼロ)。無症状の患者3万1151人(輸入性1133人)が医学観察下にあるとのこと。

 11月5日に新規感染例の報告があった省市区の数は全31のうち28で、前日から1増。このうち広東省が4桁(1582人)に上ったほか、内モンゴル自治区(692人)、新疆ウイグル自治区(539人)、黒竜江省(303人)、湖南省(264人)、河南省(190人)、山西省(126人)、青海省(105人)、重慶市(101人)の8省市区が3桁に。依然として多くの省市区で患者が出現する状況が続く。

 香港・マカオに隣接する広東省では、しばらく落ち着いた状況が続いた後、8月初旬以降は連日複数の感染例が出現している。5日の新規感染者数は前日から694人増の1582人で、3桁となってから9日目にして4桁台に突入。このうち大部分を広州市が占め、市衛生当局は5日、新型コロナの流行が始まってからの3年来で最悪の状況にあるとの見方を示した。同市内では多くの封鎖エリアが設定され、6日には特に感染例が集中している海珠区を含む10の区で全民PCR検査によるスクリーニングが実施される模様。省内その他は汕頭市57人、茂名市48人、梅州市10人、仏山市9人、深圳市2人など。

 中国本土の状況は総じて落ち着いている一方で、香港では昨年末から流行第5波が続いており、直近の単日新規感染者数は5千人前後で推移。9月26日からは入境時の義務的隔離検疫も不要となり、事実上ウィズコロナに転換したといえる。マカオについては長期にわたって市中感染確認数ゼロの落ち着いた状態を維持。こちらは中国本土に倣ってゼロコロナ政策を堅持する方針を示している。なお、マカオ市中では10月26日以降、相次いで珠海市から流入した輸入性あるいは輸入関連性の陽性者が出現したが、11月5日までに安全が確認されたとして従前の常態防疫体制に戻った。

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

マカオとの陸路の玄関口のとなる広東省珠海市の拱北出入境ゲート(資料)—本紙撮影

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