マカオ、2022年10月のインバウンド旅客数は約58万人…1〜10月累計では18.7%減の494万人

 マカオ政府統計調査局は11月21日、今年(2022年)10月の訪マカオ外客数(インバウンド旅客数)統計を公表。

 今年10月のインバウンド旅客数は前月から4.0%増、前年同月から76.8%増となる58万0333人(延べ、以下同)だった。本来10月は中国本土の国慶節大型連休があるため書き入れ時となるが、前年同月は新型コロナの市中伝播が発生したことで水際措置が引き締めとなり、旅客数が大幅に落ち込んでいた。

 内訳は、宿泊を伴う旅客が前年同月から1.8倍増の31万3542人、日帰り旅客が23.0%増の26万6791人。平均滞在時間は同0.5日短い1.8日で、内訳は宿泊を伴う旅客が4.0日短い3.2日、日帰り旅客が0.1日長い0.2日。

 国・地域別で最多だったのは中国本土からの旅客で、前年同月から72.4%増の51万8843人、全体に占める割合は89.4%。このうち個人観光客が20万2166人。中国本土からの旅客の原居地別では、大湾区(グレーターベイエリア)9市が31万1919人で、マカオと隣接する広東省珠海市が37.4%を占めた。香港と台湾からの旅客はそれぞれ4万9510人、7614人。これらに次ぐのが韓国の862人、日本の830人。

 インバウンド旅客の入境ルートは前年同月から陸路が73.7%増の53万9875人で最多。このうち關閘イミグレーション経由が59.5%、横琴イミグレーション経由が26.8%を占めた。また、海路は2万0458人、空路は2万人。

 今年1〜10月累計のインバウンド旅客数は前年同時期から18.7%減の494万4438人。内訳は、日帰り旅客が5.9%減の288万6134人、宿泊を伴う旅客が31.7%減の205万8304人。旅客の平均滞在時間は0.2日短い1.4日で、日帰り旅客が横ばいの0.1日、宿泊を伴う旅客が0.1日長い3.3日。

 マカオと中国本土の間では、一昨年(2020年)第4四半期までに往来制限が緩和され、所定の期限内の新型コロナPCR検査陰性証明の提示など一定の条件を満たせば隔離検疫免除で相互往来が可能となった。ただし、中国本土では再流行が散発的に発生しており、状況に応じて「中リスク地域」指定が行われ、これに該当する地域からマカオへ入境する場合には、隔離検疫を必要とするなどの措置が講じられる。今年に入って以降、オミクロン変異株の流入によって中国本土各地で比較的規模の大きな再流行が出現し、水際措置だけでなく、移動に関する制限が講じらる場合もあることから、マカオのインバウンド旅客数に影響が生じている。6月中旬にマカオ域内で出現したオミクロンBA.5の流行は8月頭までに落ち着き、中国本土との間の隔離検疫免除の相互往来も再開したが、10月下旬から中国本土における流行状況が再び深刻化する状況もあり、本格的なインバウンド旅客数の回復には至っていない。

 目下、マカオのインバウンド旅客数の大半を隔離検疫免除での相互往来が実現している中国本土からが占めるが、8月下旬以降は外国人の入境制限も段階的に緩和が進んでいる。8月22日からは在中国本土の外国人が事前許可なしでマカオへ入境できる措置がスタート。中国本土に駐在する日本人が隔離検疫免除でマカオを訪れることも可能となった。9月1日からは日本を含む一部の国のパスポートで入境する場合に事前許可獲得が不要となったが、中国本土以外から入境する場合は隔離検疫を受ける必要がある。義務的隔離検疫期間は5日間。よって、今後もしばらくの間はインバウンド旅客は中国本土頼りの状況が続きそうだ。

国慶節連休中のマカオの世界遺産・聖ポール天主堂跡周辺の状況(写真:MGTO)

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