中国本土の新型コロナ新規市中感染者数は約2.8万人…広東省が約9千人で最多、北京市でも4桁に=11/21

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株の流入を受け、上海や北京といった主要都市を含む一部地域で比較的大規模な再流行が発生した。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が11月22日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月21日の中国本土における新規市中感染確認者数は2145人(前日から132人減)だったとのこと。内訳は広東省781人、北京市274人、四川省240人、重慶市178人、雲南省147人、山西省89人、内モンゴル自治区77人、河南省75人、江蘇省51人、浙江省37人、黒竜江省28人、陝西省23人、遼寧省22人、山東省22人、新疆ウイグル自治区19人、甘粛省14人、貴州省13人、湖南省11人、福建省10人、湖北省9人、河北省5人、海南省5人、上海市4人、広西チワン族自治区3人、青海省3人、安徽省2人、チベット自治区2人、天津市1人。このうち広東省の434人、重慶市の38人、四川省の24人、浙江省の20人、甘粛省の14人、北京市の12人、内モンゴル自治区の7人、湖南省の7人、江蘇省の6人、陝西省の6人、山西省の4人、遼寧省の4人、黒竜江省の4人、福建省の3人、河南省の3人、広西チワン族自治区の2人、青海省の2人、安徽省の1人、雲南省の1人の計592人が無症状から感染確認へ転じた事案。

 市中の無症状感染例は2万5754人(前日から1207人増)。内訳は広東省8241人、重慶市6157人、北京市1164人、甘粛省983人、山東省966人、新疆ウイグル自治区925人、四川省821人、河北省806人、河南省798人、内モンゴル自治区745人、陝西省715人、青海省576人、山西省382人、湖北省353人、吉林省312人、黒竜江省293人、天津市264人、江蘇省233人、広西チワン族自治区233人、雲南省161人、湖南省121人、寧夏回族自治区115人、遼寧省84人、貴州省75人、浙江省67人、安徽省53人、上海市44人、福建省20人、海南省12人、チベット自治区15人、新疆生産建設兵団9人、江西省4人。

 無症状を含む新規感染者数は2万7899人で、2日連続増。また、11日連続5桁(1万人超え)となり、7日連続で2万人を上回った。上海市での大規模なロックダウンをはじめ、各地で目立った再流行が出現していた時期と同水準。

 11月21日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は2万3296人(うち輸入性が660人)で、重症者は110人(輸入性ゼロ)。無症状の患者22万8128人(輸入性1194人)が医学観察下にあるとのこと。

 11月21日に新規感染例の報告があった省市区の数は全31のうち31で、前日と同数。このうち広東省(9022人)、重慶市(6335人)、北京市(1438人)、四川省(1061人)の4省市が4桁に上ったほか、甘粛省(997人)、山東省(988人)、新疆ウイグル自治区(944人)、河南省(873人)、内モンゴル自治区(822人)、河北省(811人)、陝西省(738人)、青海省(579人)、雲南省(308人)、山西省(471人)、湖北省(362人)、黒竜江省(321人)、吉林省(312人)、江蘇省(284人)、天津市(265人)、広西チワン族自治区(236人)、湖南省(132人)、寧夏回族自治区(115人)、遼寧省(106人)、浙江省(104人)の20省市区が3桁に。依然として多くの省市区で患者が出現する状況が続く。

 香港・マカオに隣接する広東省では、しばらく落ち着いた状況が続いた後、8月初旬以降は連日複数の感染例が出現。10月下旬から急増し、流行開始以来最悪の状況を迎えている。21日の新規感染者数は前日から63人減の9022人で、4日連続1万人以下となったものの、高止まりが続く状況。大半がオミクロンBA.5.2の流行は発生しているとされる広州市からの報告例。市内では海珠区に報告例が集中しており、同区の広い範囲で準ロックダウンに相当する厳格な防疫措置が継続実施されている。また、越秀、海珠、荔湾、天河、白雲など複数の区で22日にPCR検査によるスクリーニングが実施される模様。省内その他はマカオに隣接する珠海市をはじめ、深圳市、中山市などからの報告例。

 このほか、重慶市では感染例の増が続き、6千人超に。ただし、大半が無症状。オミクロンBF.7が流行しているとされる北京市でも近日感染例が急増しており、21日には4桁台に達した。社会面から発見に至ったケースは207人で、前日から減少。同市では市中伝播だけでなく、市外から同市入りした人の感染報告も増加している状況。22日から市外から同市入りした人に対して3日間で3回のPCR検査受検を求める措置が講じられるとのこと。

 中国本土の状況は総じて落ち着いている一方で、香港では昨年末から流行第5波が続いており、直近の単日新規感染者数は5千人前後で推移。9月26日からは入境時の義務的隔離検疫も不要となり、事実上ウィズコロナに転換したといえる。マカオについては長期にわたって市中感染確認数ゼロの落ち着いた状態を維持。こちらは中国本土に倣ってゼロコロナ政策を堅持する方針を示している。ただし、マカオ市中では14日に2人、16日に1人、18日に1人の陽性者(輸入性及び輸入関連性)が相次いで出現し、このうち2人が広東省珠海市からの輸入性。さらに、珠海市での検査で発見に至った陽性者の中にマカオ訪問歴があったケースも複数出てきている。当局は感染経路が明瞭であることなどから市中伝播リスクは低いとの見方を示しているが、珠海市からの入境にあたって制限を強化する動きもある。また、19日朝には江蘇省蘇州市から珠海市を経てマカオ入りした観光客の女性1人の陽性が明らかとなり、宿泊先のホテルが封鎖に。過去数日にわたってマカオ各地を訪れていたといい、患者の立ち寄り先周辺の複数エリアを対象に5日間で4回のPCR検査を求める通知が出された。これまでのところ市中への伝播は確認されていない。

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

中国・北京(資料写真)—本紙撮影

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