中国本土の新型コロナ新規市中感染者数が7日連続3万人超…広東省が約9千人で最多=11/29
- 2022/11/30 11:08
- 香港・大湾区
中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株の流入を受け、上海や北京といった主要都市を含む一部地域で比較的大規模な再流行が発生した。
中国の国家衛生健康委員会(NHC)が11月30日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月29日の中国本土における新規市中感染確認者数は4236人(前日から675人増)だったとのこと。内訳は広東省1518人、北京市1282人、山西省185人、四川省170人、重慶市164人、河南省133人、雲南省119人、内モンゴル自治区102人、山東省84人、浙江省77人、福建省56人、黒竜江省52人、湖南省48人、遼寧省37人、陝西省34人、江蘇省30人、新疆ウイグル自治区23人、湖北省21人、貴州省20人、河北省17人、海南省15人、安徽省13人、上海市11人、吉林省8人、広西チワン族自治区5人、青海省5人、天津市4人、江西省1人、チベット自治区1人、甘粛省1人。このうち広東省の748人、重慶市の41人、北京市の28人、浙江省の24人、黒竜江省の15人、四川省の13人、福建省の9人、内モンゴル自治区の7人、湖南省の7人、陝西省の6人、山西省の5人、河南省の5人、山東省の4人、雲南省の4人、青海省の4人、江蘇省の3人、海南省の3人、広西チワン族自治区の2人、甘粛省の1人の計929人が無症状から感染確認へ転じた事案。
市中の無症状感染例は3万3376人(前日から1484人減)。内訳は重慶市7669人、広東省7236人、北京市3240人、山西省1876人、四川省1241人、新疆ウイグル自治区996人、天津市866人、山東省850人、吉林省794人、陝西省767人、青海省722人、黒竜江省655人、湖北省642人、広西チワン族自治区594人、雲南省581人、遼寧省575人、甘粛省534人、河南省523人、江蘇省487人、河北省470人、寧夏回族自治区462人、内モンゴル自治区322人、湖南省250人、安徽省249人、浙江省216人、上海市176人、貴州省166人、福建省98人、江西省70人、海南省33人、チベット自治区13人、新疆生産建設兵団3人。
無症状を含む新規感染者数は3万7612人で、2日連続減。ただし、19日連続5桁(1万人超え)となり、7日連続で3万人を上回った。上海市での大規模なロックダウンが実施されるなど各地で目立った再流行が出現していた今年4月中旬頃を上回る水準に。
11月29日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は3万5616人(うち輸入性が765人)で、重症者は100人(輸入性ゼロ)。無症状の患者37万6862人(輸入性1708人)が医学観察下にあるとのこと。
11月29日に新規感染例の報告があった省市区の数は全31のうち31で、前日と同数。このうち広東省(8754人)、重慶市(7833人)、北京市(4522人)、山西省(2061人)、四川省(1411人)、新疆ウイグル自治区(1019人)の6省市区が4桁に上ったほか、山東省(934人)、天津市(870人)、吉林省(802人)、陝西省(801人)、青海省(727人)、黒竜江省(707人)、雲南省(700人)、湖北省(663人)、河南省(656人)、遼寧省(612人)、広西チワン族自治区(599人)、甘粛省(535人)、江蘇省(517人)、河北省(487人)、寧夏回族自治区(462人)、内モンゴル自治区(424人)、湖南省(298人)、浙江省(293人)、安徽省(262人)、上海市(187人)、貴州省(186人)、福建省(154人)の22省市区が3桁に。依然として多くの省市区で患者が出現する状況が続く。
香港・マカオに隣接する広東省では、しばらく落ち着いた状況が続いた後、8月初旬以降は連日複数の感染例が出現。10月下旬から急増し、流行開始以来最悪の状況を迎えている。29日の新規感染者数は前日から139人減の8754人で、12日連続1万人以下となったものの、依然として高止まりが続く。このうち9割近くがオミクロンBA.5.2の流行は発生しているとされる広州市からの報告例。海珠区、天河区、番禺区など複数の区の多くの場所で集中的な感染例が出現している状況で、人流を抑制するための対策など厳格な防疫措置が講じられている。省内その他についても、深圳市からの報告例が約200人、東莞市で100人超、中山市でも100人近くに上っている。
このほか、広東省と並び連日多くの感染例が報告されている重慶市では、2日連続で減少を維持したものの、一般市中でのPCR検査によるスクリーニングを経て発見に至ったケースが約100人にいたという。また、オミクロンBF.7が流行しているとされる北京市ではリバウンドに転じ、2日連続4千人超に。社会面(隔離対象ではない一般市中)から発見に至ったケース前日から大幅減の約190人。同市では市中伝播だけでなく、市外から同市入りした人の感染報告も増加しており、対策が講じられている。近日は上海市でも増加傾向にある。一方、河南省では状況の緩和が見受けられ、28日から防疫対策レベルが引き下げとなり、バス、地下鉄が全面運行再開された模様。
中国本土の状況は総じて落ち着いている一方で、香港では昨年末から流行第5波が続いており、直近の単日新規感染者数は5千人前後で推移。9月26日からは入境時の義務的隔離検疫も不要となり、事実上ウィズコロナに転換したといえる。中国本土に倣ってゼロコロナ政策を堅持するマカオについては、基本的に市中感染確認数ゼロの落ち着いた状態を維持しているものの、このところ中国本土滞在歴のある人、中国本土からの観光客、その接触者の感染が相次いでおり、緊張が高まっている。