マカオ、海外からの入境者に対する隔離検疫撤廃

 中国(本土)では厳格なゼロコロナ政策が堅持されてきたが、今月(12月)7日に当局が大幅な緩和を発表。事実上のウィズコロナへの方針転換となった。マカオでも中国に追随して各種防疫策の緩和が進む状況。

 マカオと中国本土の間では、すでに2020年第4四半期から隔離検疫免除での相互往来が再開済みだったが、海外(香港及び台湾を含む)との間では長期にわたって隔離検疫を含む厳格な水際措置が維持されてきた。しかし、今夏から段階的に門戸が広がり、方針転換のあった12月以降は一気に緩和が加速している。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは12月22日、同月23日からの海外(香港および台湾含む)からの入境者に対する水際措置の調整を発表。およそ3年ぶりに、いわゆる「隔離検疫」が撤廃されることとなった。

 新措置では、入境後5日間(到着翌日を1日目とする)が自己健康管理期間とされ、健康コードの色は「黄色」となる。入境時と入境後3日目に受検が必須だったPCR検査も不要に。ただし、マカオ行きの交通機関搭乗時に検体採取から72時間以内のPCR検査陰性証明(マカオ政府が規定する要件に合致したもの)の提示と、自己健康管理期間中の1日1回の簡易検査キット(迅速抗原検査キット)による検査と結果報告は必要とされる。自己健康管理期間最終日の簡易検査結果が陰性であれば、健康コードの色は緑となる。

 このほか、自己健康管理期間中の離境制限は、海外行きについてはなしとなり、中国本土については従来通り9日目まで不可。

 新措置によって、例えば香港からマカオへ日帰り訪問も可能となる。健康コードが黄色となることによる影響だが、12月10日にマカオ衛生局ガイドラインが更新され、運用が大幅変更となったことで、従来から大きく緩和されたといえる。健康コードの提示が必須となるのは政府部門、医療機関、社会福祉機構、非高等教育学校に限られ、その他については提示を求めるかどうか、また赤色と黄色コードの受け入れについての判断も施設側に委ねられる。記者が市中を巡回して確認したところ、飲食店、小売店、量販店、スーパー、ショッピングモール等々、すでに大半が提示を求めていない状況。統合型リゾート施設の入口も同様だが、カジノ施設の入口ゲートでは依然として緑色健康コードの提示が求められた。(※補足:その後、カジノは黄色でも入場可に変更となっている)

 自己健康管理期間の防疫ガイドラインでは、会食と会合を避けるよう求められているため、グループでの食事などは避けるべきだが、健康コードが黄色でも従前と比較して行動制限はほぼなくなったといえるだろう。

 なお、マカオでは流行の拡大が進んでおり、1〜2週間のうちにピークを迎え、短期内に人口の5〜8割が感染するとの見通しが示されている。近日は感染者の増の影響とみられる人手不足によって休業する店舗等も散見され、政府は人手不足の状況に応じて無症状または軽症であれば出勤を認めることも発表済み。

香港との陸路の玄関口となる港珠澳大橋マカオ側イミグレーションビル(資料)=2022年12月本紙撮影

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