マカオ、2022年11月のホテル客室稼働率は38.7%…前年同月から7.8pt下落=1〜11月累計38.0%

 マカオは人口約68万人、面積約32平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリをはじめとした大規模イベントが数多く開催されるアジア有数の国際観光都市として知られる。

 マカオの年間訪マカオ外客数(インバウンド旅客数)はコロナ直前の2019年には延べ(以下同)3940万6181人(延べ、以下同)に上ったが、2020年は対前年85.0%減の589万6848人に急落。2021年は対前年30.7%増の770万5943人まで回復したものの、2019年比では8割超のマイナスで、依然として低迷が続いている。

 インバウンド旅客数が低迷する主要因として、2020年1月下旬から新型コロナ防疫対策の一環として入境制限を含む厳格な水際措置が講じられたことが挙げられる。ただし、今月(2022年12月)初旬に中国が事実上のウィズコロナへ急転換し、マカオも追随。以降、水際措置は一気に緩和が進んでいる。中国本土との間では早い段階で隔離検疫免除での相互往来が実現していたが、香港、台湾、海外からの入境者に対する隔離検疫措置も12月下旬に撤廃された。

 今年(2022年)11月のインバウンド旅客数は前月から36.8%減、前年同月から31.7%減となる36万6511人だった。近隣地区(中国本土、特に隣接する広東省)での新型コロナ流行状況の悪化の影響によるものとみられる。1〜11月累計でも前年同時期比22.9%減の531万9049人。

 マカオ政府統計調査局は12月29日、今年11月のホテル宿泊客関連統計を公表。同月の平均ホテル客室稼働率(医学観察及び自己健康管理用ホテルの客室分は含まず、以下同)は38.7%で、前年同月から7.8ポイント(pt)下落、前月から3.1pt下落。

 ホテル等級別では、5つ星が前年同月から8.6pt下落の35.5%、4つ星が7.7pt下落の43.6%、3つ星が14.0pt下落の40.5%、2つ星ホテルが13.9pt上昇の51.6%、エコノミー宿泊施設が46.1%(※2022年1月の法改正によりカテゴリー調整が生じたため比較対象なし)。なお、5つ星ホテルの供給客室数が0.7%増、4つ星ホテルが5.6%増、3つ星ホテルが1.4%減、2つ星ホテルが1.2%増だった点も考慮する必要がある。

 今年11月末現在、マカオで営業中のホテル数は前年同時期から2軒増の119軒、供給客室数は2.4%増の3.67万室あり、このうち5つ星ホテルが横ばいの33軒で、供給客室数は全体の59.9%を占める2.20万室。

 今年11月のマカオのホテル宿泊客数は前年同月から17.2%減の40.9万人。このうち中国本土からの旅客が19.8%減の32.3万人、地元のマカオ客(ステイケーション需要等)は2.6%減の6.1万人。ホテル宿泊客の平均滞在時間は前年同月から横ばいの1.7日。

 今年1〜11月の平均ホテル客室稼働率は前年同時期から11.6pt下落の38.0%、累計ホテル宿泊客数は22.0%減の465.8万人、平均滞在時間は横ばいの1.8日。

 参考までに、昨年通期(1〜12月)の平均ホテル客室稼働率は前年から21.4pt上昇の50.0%、ホテル宿泊者数は71.0%増の662.4万人だった。

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区(資料)=2021年5月9日本紙撮影

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