マカオ、2022年通期のカジノ売上は対前年約5割減の約6892億円…コロナ流行後の最低に
- 2023/1/1 13:20
- カジノ・IR
マカオ政府博彩監察協調局(DICJ)は1月1日、昨年(2022年)12月のマカオの月次カジノ売上(粗収益、Gross Gaming Revenue=GGR)について、前年同月から56.3%減、前月から16.1%増の34.82億パタカ(日本円換算:約569億円)だったとする最新統計を公表。
前年同月比では10ヶ月連続のマイナス、対前月では2ヶ月ぶりにプラスとなった。コロナ前の2019年同月からは84.8%減。
12月の営業日は31日間で、11月より1日長い。12月の1営業日あたりの平均売上は前月から約12%増の1.12億パタカ(約18.3億円)。新型コロナの影響が生じて以降では、2022年7月の0.13億パタカ(約2.1億円)及び2020年第2四半期の0.23億〜0.56億パタカ(約3.8億〜9.1億円)が底。
昨年通期(1〜12月)のカジノ売上は前年同時期から51.4%減の421.98億パタカ(約6892億円)。変動率は前月時点から0.5ポイント拡大(悪化)。昨年は新型コロナの影響が生じてから3年目にあたるが、初年(2020年)を下回って最低に。2019年比では86.5%減。
マカオ政府の2022年度財政予算における当初カジノ売上見込みは1300億パタカ(約2兆1232億円)で、最終的な進捗率は32.5%にとどまった。前年も同額の見込みに対して大幅未達(66.8%)だった。
中国本土とマカオの間では2020年第4四半期から条件付きで隔離検疫免除での相互往来が再開され、2021年のカジノ売上はやや持ち直したが、オミクロン変異株の出現によって2022年に入って以降は中国各地で再流行が深刻化し、マカオ域内でも大規模な流行が出現。再び水際措置の強化や移動制限が講じられるなどした結果、マカオにおける中国本土からのインバウンド旅客数が低迷し、カジノ売上に影響が及んだとみられる。なお、12月初旬に中国本土で事実上のウィズコロナへの転換があり、マカオも追随。防疫措置が一気に緩和され、海外との隔離検疫免除での往来も復活。12月に対前月プラスとなった要因とみてとれる。2023年については、上昇に転じる可能性も出てきたといえるだろう。
【資料1】2022年のマカオの月次カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・1月:63.44億パタカ=約1036億円(20.9%減)
・2月:77.59億パタカ=約1267億円(6.1%増)
・3月:36.72億パタカ=約600億円(55.8%減)
・4月:26.77億パタカ=約437億円(68.1%減)
・5月:33.41億パタカ=約546億円(68.0%減)
・6月:24.77億パタカ=約405億円(62.1%減)
・7月:3.98億パタカ=約65億円(95.3%減)
・8月:21.89億パタカ=約358億円(50.7%減)
・9月:29.62億パタカ=約484億円(49.6%減)
・10月:38.99億パタカ=約637億円(10.7%減)
・11月:29.99億パタカ=約490億円(55.6%減)
・12月:34.82億パタカ=約569億円(56.3%減)
>1〜12月累計:421.98億パタカ=約6892億円(51.4%減)
【資料2】2013年〜2021年のマカオの年間カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・2013年:3607.49億パタカ=約5兆8919億円(18.6%増)*ピーク時
・2014年:3515.21億パタカ=約5兆7412億円(2.6%減)
・2015年:2308.40億パタカ=約3兆7702億円(34.3%減)
・2016年:2232.10億パタカ=約3兆6456億円(3.3%減)
・2017年:2657.43億パタカ=約4兆3402億円(19.1%増)
・2018年:3028.46億パタカ=約4兆9462億円(14.0%増)
・2019年:2924.55億パタカ=約4兆7765億円(3.4%減)
・2020年:604.41億パタカ=約9872億円(79.3%減)
・2021年:868.63億パタカ=約1兆4187億円(43.7%増)