マカオローカルの失業率が4.1%まで改善…2022年12月〜2023年2月期

 マカオ政府統計調査局は3月24日、最新となる2022年12月〜2023年2月期の雇用統計を公表。総体失業率が3.3%、マカオ居民(マカオ居民IDカード保有者、いわゆるローカル)に限った失業率は4.1%だった。

 前回調査(2022年11月〜2023年1月期)から総体失業率が0.1ポイント(pt)、マカオローカルに限った失業率が0.2ptのそれぞれ下落(良化)。不完全雇用率についても0.5pt下落の2.7%に。

 マカオでは中国本土に追随してゼロコロナ政策を堅持してきた経緯があり(※ただし2022年12月初旬から段階的に事実上ウィズコロナへ転換)、インバウンド依存度の高いマカオ経済は長期低迷を余儀なくされた。ローカルの失業率は2022年6月中旬から8月初頭にかけてオミクロンBA.5のアウトブレイクが発生し、準ロックダウンを含む極めて厳格な防疫措置が講じられたことと新卒者の労働市場への投入時期が重なったことにより、6〜8月期に過去最悪の5.5%を記録。以降は少しずつ改善が続いているものの、依然としてリーマンショックの影響があった2009年以来の高水準が続く状況。その後、今年1月8日にウィズコロナへ完全移行し、水際措置が大幅緩和されたことを受け、以降はインバウンド旅客数の回復が順調に進んでおり、人材需要にも好影響が及ぶと予想される状況。

 2022年12月〜2023年2月期のマカオ居住の労働人口は37.21万人、労働参加率は68.3%。就業人口は前回調査から1100人減の35.99万人で、マカオ居民に限ると200人増の28.22万人。就業人口減の主要因はマカオに居住する海外労働者の減少によるもの。

 失業人口は前回調査時から600人減の1.22万人。新たな職を探す失業者については、直前までカジノ・カジノ仲介業と建設業に従事していた人の数が多くを占めた。失業人口の中で初めての職探しをする人が占める割合は1.5pt下落の9.3%。

 不完全就業者数は2000人減の9900人。業界別では、カジノ・カジノ仲介業における減少が顕著だった。

 前年同時期との比較では、総体失業率が横ばい、労働参加率が1.0pt下落、不完全雇用率が0.2pt下落。

 就業調査の統計対象はマカオ半島、タイパ・コロアン島にある住宅の居住者(学生寮や高齢者入所施設等のグループホームを除く)で、域外からマカオへ越境通勤するマカオ居民及び海外労働者は含まれない。出入境資料を元にマカオ居民及び海外労働者の越境通勤者数は約8.46万人と推計され、これを含むマカオの総労働力は前回調査から600人減の45.68万人。

 マカオ政府労工事務局(DSAL)はコロナ禍において定期的にジョブマッチングフェアの開催や職業訓練機会の提供などローカルの就業支援に継続して取り組んでおり、今年の年初から3月中旬までに1221人の就業サポート実績を挙げたという。

マカオ居民の就業を支援するため定期開催されているレジャー企業ジョブマッチングフェアのイメージ(写真:DSAL)

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