マカオ政府、16年連続で市民に現金配布…今年の支給額は約16.4万円
- 2023/4/22 11:26
- 産業・経済
世界一のカジノ売上を誇る都市として知られるマカオ。カジノ税という潤沢な財源を抱え、莫大な財政準備を誇るマカオ特別行政区政府は、インフレ対策や富の還元を理由に2008年から市民に対する現金配布を毎年実施している。
現金配布は例年7月から9月にかけて実施されるが、2020年から2022年については新型コロナ経済対策の一環として約3ヶ月前倒しとなった。マカオ政府行政会が4月21日に公表した法案では、今年(2023年)は7月初旬から8月初旬にかけて順次配布するとしており、4年ぶりに例年通りのスケジュールに戻る。
ツーリズムが主要産業のマカオだが、昨年末から今年頭にかけて事実上のウィズコロナへの転換が行われたことを受けて域内の防疫措置及び水際措置の大幅緩和が進み、インバウンド旅客の急回復につながり、ようやく街に活気が戻ってきた。現金配布スケジュールを例年通りに戻す背景として、経済状況の改善のほか、新型コロナ経済対策の一環で臨時的措置として昨年10月に全市民へ電子マネー形式で配布した生活補助金の8000パタカ(日本円換算:約13.1万円)の使用期限が6月末となっていることが挙げられる。
16年連続実施となる今年度の支給対象は前年末時点で有効なマカオ特別行政区永久性居民(永久居留権)及び非永久性居民(臨時居留権)IDカードの保有者(所得や年齢の条件はない)で、支給金額は前者が1万マカオパタカ(約16.4万円)、後者が6000マカオパタカ(約8.2万円)。銀行振込または小切手で一括支給される。
今年の配布対象人数は永久性居民が約70.8万人、非永久性居民が約3.05万人で、実施にかかる予算は72.9億マカオパタカ(約1196億円)とのこと。
支給額について、2008年は5000パタカ(約8.2万円)だったが、以降は段階的に増額され、2019年から据え置きとなっている。マカオ永久性居民の場合、16年間の合計支給額は13.4万パタカ(約220万円)に上る。このほか、直近コロナ禍の景気低迷期には複数回にわたって臨時性の現金あるいは電子マネーの支給もあった。