SIMロックフリーのスマホで現地プリペイドSIMを使う方法
- 2014/3/12 12:02
- コラム
自販機でプリペイドSIMカードを購入
CTMの自販機を例に、実際の買い方を説明する。自販機の中には複数の商品が並んでいるが、まず最初に買うべきものはプリペイドSIMカード(漢字で「預付卡」と書く)そのものだ。SIMカードには標準SIM、マイクロSIM、ナノSIMの3種類あり、持参したSIMロックフリー端末に合ったものを選ぶ必要がある。今回、iPhone4Sを例にして話を進めるので、「マイクロSIM」を選択することにする。CTMの自販機では、マカオパタカ、香港ドルの両紙幣に対応している(換算率は1:1なので、マカオパタカを使うのが有利)が、気を付けたいのは「お釣りが出ない」ところ。100パタカのSIMを買う際、もし500パタカ紙幣を挿入したとしても、お釣りが出てこないのだ。20、50、100パタカ紙幣などを準備しておきたい。買うべき商品が決まったら、紙幣を入れ、商品番号をボタンで入力する。すると、ゆっくりした動作でSIMカードが取出口に落ちてくる。
SIMカードの設定
パッケージを開封すると、中にカードと説明書が入っている。カードからSIMの部分を慎重に切り離し、携帯電話にセットします。この際、事前に準備するクリップが役立ちます。クリップの先端を電話機側面にあるSIMトレー横の小さな穴に差し込み、グイっと押し込むと、SIMカードが載ったトレーが出てきます。この時、元々入っていたSIMカードをなくさないように気を付けてください。ここに、元のSIMが入っていたのと同じようにCTMのプリペイドSIMを載せ、指で押し込む形でトレーを元に戻します。
SIMカードを挿入した後、そのままの状態では通信ができません。まず、SIMを有効化する「アクティベーション」という作業を行います。操作は簡単で、キーパットに「1771」と打ち込み、「発信」を押します。しばらくすると、マカオの携帯電話番号とSIMカードの有効期限、残高などの情報が掛かれたメッセージをSMSで受信します。このメッセージが届いた時点で、SIMカードが有効となります。この状態でも3Gデータ通信は可能ですが、ちょっと我慢して、先にデータ通信定額サービスの設定に進みます。CTMの場合、30日間MOP99の最大1GBのデータ通信と28時間分のWi-Fiホットスポット接続がパッケージになった定額データ通信プランが用意されています。こちらの設定は、先ほど同様キーパットに「#160*2#」と入力し、「発信」を押します。その後、パッケージへの申し込みが完了した旨のメッセージが届きます。このメッセージの中に、CTMが提供するWi-Fiホットスポットを利用(後述)するためのパスワードが書かれているのでメモしておく。(※キーパットのないモバイルWi-Fiルーターやタブレット端末については、文末の情報を参照)
スマホでデータ通信を行う場合、APNというアクセスポイントを設定する必要があります。設定方法は、ホームメニュー画面から「設定」>「モバイルデータ通信」>「モバイルデータ通信ネットワーク」と進み、「APN」という部分に「ctmprepaid」と入力します。「ユーザ名」と「パスワード」や、他の項目は空白でかまいません。(Androidの場合は、メニュー画面から「設定」>無線とネットワークの「その他」>「モバイルネットワーク」>「アクセスポイント名」と進み、候補の中から「ctmprepaid」を選択、もし選択肢がない場合は、右上の+ボタンを押し、名前に「CTM」(←これは任意の文字列で良い)、APNに「ctmprepaid」と入力。他は空欄のままでかまわない)
この設定を終えると、データ通信が使用可能となる。また、独自の電話番号が付与されているので、電話の発着信も可能。100パタカのSIMを購入した場合、すでに定額データ通信プランで99パタカ分を使っているため、残額1パタカとなっている。通話も利用したい場合は、残額のチャージを行うことで対応する。
Wi-Fiホットスポットの利用
上述の定額データ通信プランに申し込むと、CTMが提供するWi-Fiホットスポットへの接続を28時間分利用できる。Wi-Fiホットスポットの場所はCTMの各支店やCTM Wi-Fiサービス利用可能店のステッカーを貼ったカフェやレストランなど。CTMから一覧表が交付されていないのが不便だが、スポット数も充実とは言い難いのが現状。接続するには、ホームメニューから「設定」>「Wi-Fi」と進み、選択肢の中から「CTM Wi-Fi」を選択。この後、ブラウザを立ち上げると、IDとパスワードの入力画面に遷移するので、IDとして最初に付与された独自の電話番号、定額データプラン申込みを終えた後に受け取ったSMSメッセージにあるパスワードを入力する。
チャージ方法
今回紹介した定額データ通信プランはデータ通信量の合計が1GBに達するまで最長30日間利用できるものだが、通信量が1GBを超えた時点で終了となる。引き続き、定額プランを使いたい場合、あらたにプリペイドSIMカードに残高をチャージした上で、あらためて前項と同様の方法で定額データプランを再度申し込む必要がある。プリペイドSIMカードのチャージ方法は、「リロードバウチャー(増値卡)」を使うのが最もシンプル。リロードバウチャーは額面MOP100、200など種類があるので、必要に応じて金額を選べばよい。リロードバウチャーもプリペイドSIMと同様に、自販機や店舗で購入できる。リロードバウチャーを購入後、パッケージを開封すると、1枚のカードが中に入っている。カード裏面にスクラッチ部分があるので、コインで削ると番号が出てくる。プリペイドSIMを挿入したスマホを使い、キーパットで「*122*リロードカードに記載された番号#」を入力し、「発信」を押す。しばらくすると、チャージが完了した旨のSMSが届き、残高を確認することができる。
キーパットのない端末の場合
モバイルWi-FiルーターやNexus 7、iPadなど、電話機能のない端末はキーパットで番号を打ち込むことが物理的にできないため、プリペイドSIMカードのアクティベーションやリロードといった作業を端末のみで行うことができない。そういった端末を持ち込む場合、ショップを訪れる必要がある。まず、CTMのショップを訪れ、カード類販売カウンターを目指そう。そこで、プリペイドSIMカードの新規購入と定額データ通信プランの申し込みを希望とスタッフに伝えると、店舗の端末でアクティベーションなどの設定を済ませ、開通済みの状態でSIMを買うことができる。プリペイドSIMカードは一旦開通すれば別の端末に差し替えても使えるので、そのまま持参した端末に挿入して使えばよい。リロードが必要な際も、同様にショップを訪れて手続きを依頼する。CTMのショップでは英語が通じる。
■参考URL CTM(澳門電訊): https://www.ctm.net(英語・中国語)
*記事の内容は取材当時(2014年3月)のものです。