話題の「IR(統合型リゾート)」をマカオで体験しよう!

サンズ・リゾーツ・コタイ・ストリップ・マカオ

 米ラスベガス・サンズ・グループ傘下のサンズ・チャイナ社がコタイ地区を東西に貫くメインストリート「コタイ・ストリップ」に沿って展開するIR施設群の総称。「ザ・ヴェネチアン・マカオ」、「プラザ・マカオ」、「サンズ・コタイ・セントラル」、「ザ・パリジャン・マカオ」という、それぞれ大規模かつ個性的なテーマ設定のIRが館内通路で直結しており、スーパーIR複合体を形成しているイメージだ。訪問客数はマカオ半島側にあるIR「サンズ・マカオ」と合わせて年間2000万人以上とのこと。年間訪マカオ旅客数は約3000万人のため、単純計算で3人に2人が訪れていることになる。すでにマカオを代表する観光地のひとつとしてすっかり定着したといえよう。

右が「サンズ・コタイ・セントラル」。メインストリートのコタイ・ストリップを跨ぐ形で「ザ・プラザ」との間の通路が設置されている=本紙撮影

 リゾートには7つのホテルが入り、総客室数は約1万3000室。マカオ全体のホテル客室供給数の実に3分の1を占める。このうち、サンズ・コタイ・セントラルのシェラトン・グランド・マカオの客室数は4000室で、世界的最大クラス。サンズ・リゾーツ・コタイ・ストリップ・マカオの中核的存在で、今年で開業10周年を迎えたザ・ヴェネチアン・マカオについては、客室のリノベーションがスタートし、モダンなインテリアに生まれ変わった。リピーターでも新鮮な気分を味わえるはずだ。サンズ・チャイナのマカオにおけるIR開発プロジェクトは、昨年のザ・パリジャン・マカオのオープンで一旦完成をみた。運営会社では、今後も既存施設の付加価値アップのためリノベーションや新要素の追加といった投資を継続するとしている。

リノベーションでモダンなインテリアに生まれ変わった「ザ・ヴェネチアン・マカオ」の客室イメージ ©The Venetian Macao

 リゾート内にはハイエンドからカジュアルまでバラエティ豊かな約850のショップと約150の飲食店が軒を連ね、幅広いニーズに対応している。また、マカオ最大の1万5000席を誇るアリーナでは、有名海外アーティストのコンサートやスポーツイベントが開催され、マカオのエンターテイメントの殿堂に。コンシューマー向けのエキジビションなどもあり、マカオを訪れる際には、事前にイベント情報をチェックしておきたい。

実物の1/2サイズのエッフェル塔を擁する「ザ・パリジャン・マカオ」。塔には展望台もあり、人気の観光アトラクションに=本紙撮影

ギャラクシー・マカオ&ブロードウェイ・マカオ

 アジアをテーマにした煌びやかなゴージャス系IRの「ギャラクシー・マカオ」と、通りを隔てて隣接する区画に建つカジュアル系IRの「ブロードウェイ・マカオ」という2つの大型IRが館内通路で直結し、一体運営されている。マカオ唯一の日系ホテルとなる「ホテルオークラ・マカオ」を含む6つのホテルが入り、総客室数は約4000室に上る。

「ギャラクシー・マカオ」のカジノフロア=本紙撮影

 ギャラクシー・マカオを代表するレジャー施設となるのが、屋上部分に広がる「グランド・リゾート・デッキ」と名付けられたウォーターアトラクション。世界最大の波の出るプールや世界最長の流れるプール、スリル満点のウォータースライダー、人工ビーチなどを備え、ファミリーやカップルから人気を博す。南国マカオとあって遊泳可能なシーズンも長く、3月から11月までオープン(一部エリアは通年営業)。プール目当てでギャラクシー・マカオのホテルを選ぶという旅客も多く、夏休みシーズンの稼働率は100%近くに達することも珍しくない。

 また、館内には約200のショップと120の飲食店があり、マカオのIRでは唯一なる大型シネコンやフットマッサージ専門店などをラインナップ。アップルストアやディーン&デルーカがマカオ初進出したことでも知られる。

 マカオにおける単一IRとしての開発面積では、実はギャラクシー・マカオが最大規模を誇る。現時点では全4フェーズのうちの第2フェーズまでがオープン済み。目下、さらなる拡張工事が進められており、一層巨大化が進む見通し。

 ブロードウェイ・マカオについては、マカオの下町エリアで人気の老舗飲食店などが並ぶフードストリートの存在が特徴。ブロードウェイ・マカオのホテル宿泊者もギャラクシー・マカオのグランド・リゾート・デッキを利用することができるという。

「ギャラクシー・マカオ」俯瞰。屋上部分にウォーターアトラクション「グランド・リゾート・デッキ」が広がる=本紙撮影
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