観光名所でマカオの伝統文化を体験できるイベント 「週末パフォーマンス」に注目!

ハード巡りだけでなく、ソフトにも注目!

 マカオ観光のハイライトといえば、やはりポルトガルと中国の文化が見事に調和した世界遺産や歴史的市街地の散策だろう。滞在中、マカオに30ある世界遺産建築物、広場をいくつ訪れることができるか、指折り数えながら旅の計画を練っているという方も多いだろう。マカオ観光というと、こういったハードが注目されがちだが、少し視点を変えてソフト面にも目を向けてみたい。

 東洋と西洋の融合は、何もハードに限ったことではない。マカオの人たちに長く受け継がれてきた伝統文化や風習といった無形文化財が観光資源として脚光を浴びている。その多くが伝統催事にあたり、運良く催事の日にマカオにいないと見ることができないというものだったが、最近、マカオ政府旅遊局(MGTO)が「週末パフォーマンス」と銘打った定期イベントを開催し、伝統文化の普及を行っている。ほぼ毎週末、マカオの観光名所を舞台にイベント開催されることから、一気に伝統文化や風習を身近になった。世界遺産巡りの中に伝統文化見学も盛り込むことで、より深くマカオの魅力に触れることができるはず!

どんなパフォーマンスが見られる?

 MGTOの「週末パフォーマンス」では、伝統文化や風習にあたるものから現代的なものまで10種類(2015年2月現在)の演目を用意している。ここでは、伝統的なものを中心に、ぜひ見ておきたい注目の演目をピックアップしてご紹介したい。すべて見学無料で楽しめる。

① ライオンダンス
 旧正月や店舗やイベントのオープンなど、祝賀行事に欠かせない存在のライオンダンス(舞獅)。日本の獅子舞と似ているが、マカオのライオンダンスはより派手なコスチュームとアクロバティックな動きとなる。銅鑼や太鼓の賑やかな音も加わり、華やかなムードに包まれる。

©︎ MGTO

② ポルトガル・フォークダンス
 マカオ在住のポルトガル人コミュニティの中で受け継がれてきたもので、色鮮やかでかわいらしいデザインのポルトガルの伝統衣装に身を包んだ老若男女が円になり、どこか懐かしいリズムの楽器演奏に合わせて踊るもの。明るく楽しい雰囲気で、飛び入り参加してしまう観光客も続出。中国語では「土風舞表演」と表記する。

©︎ MGTO

③ 酔龍の舞
 龍の頭や尾を象った神器を持った男たちが酒を飲み、豪快に吹き散らしながら踊り歩くもの。マカオの漁業関係者の間に伝わる風習で、2006年にマカオの、2009年には中国の国家無形文化財にも登録された。最近ではマカオを代表して海外のカーニバルにも出演している。観衆を圧倒する勇壮、パワフルな雰囲気が見どころ。

©︎ MGTO

④ 広東オペラ
 中国のオペラといえば「京劇」が有名だが、マカオを含む広東地方にも、地域の人々に長く愛されてきた「粤劇(広東オペラ)」が存在する。派手な衣装とメイク、そしてセリフはすべて広東語。伝統楽器が奏でる音楽と相まって、独特の雰囲気を醸し出す。2009年には世界無形文化財にも登録されている。

©︎ MGTO

⑤ 中国武術
 中国武術は「看:見て美しい演武を行うこと」、「健身:体を鍛えて健康になること」、「実用:相手を倒すこと」の三要素から成るといわれる。マカオでも子供からお年寄りまで愛好家が多い。MGTOのパフォーマンスでは、愛好家らが日々の鍛練で磨いた拳法や武器術の「型」を披露する。

©︎ MGTO

いつ、どこで見られる?

 MGTOの週末パフォーマンスは、世界遺産の媽閣廟やモンテの砦、タイパビレッジや観音像前など、マカオ各地のメジャーな観光地を舞台に開催される。散策の途中に組み込みやすい場所が多数あるので便利だ。上演時間は昼から夕方頃が多い。また、同じ演目でも場所と時間をずらして1日に何度か上演するものもある。いずれも上演時間は約20分。演目そのものは変わらないが、上演場所と時間は月によって変動する。最新スケジュールはMGTOのウェブサイト「What’s On Macao」で発表されるので要チェックだ。

*記事の内容は取材当時(2015年2月)のものです。

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