マカオ居民IDカードの電子化に関する法案が可決…QRコードを使った出入境から先行実施へ
- 2023/6/21 9:29
- 社会・政治
マカオには日本のマイナンバーカードに相当するマカオ特別行政区居民身分証(マカオ居民IDカード)が存在する。6月20日のマカオ立法会全体会議で「マカオ特別行政区居民身分証制度」の改正法案が可決された。
このうち、マカオ居民身分証の電子化に関する条文については同月30日に施行となる。従来、マカオ居民がマカオのイミグレーション施設に設置されたセルフ式の通関(出入境)ゲートを利用する際には、カード型の身分証を読み取る必要があったが、今後は政府が運営するスマートフォン用の公共サービスアプリ「一戸通(ワン・アカウント)」を使って出入境用のQRコードを生成し、これをイミグレーション施設の自動出入境ゲートに増設された読み取り機にかざすことで代替できることになる。同様の措置は香港が「非触式e-道(コンタクトレスeチャンネル)」のサービス名で先行実施している。
マカオ政府では、居民が新措置によるセルフ通関に適応した段階で、電子身分証の応用範囲を医療機関の受診時、政府が展開する生涯学習発展プランの申し込み及び出席確認時、銀行窓口での手続き時などに拡大する考えとのこと。
通関以外に関する条文については今年12月15日に施行され、同日から新チップを搭載し、券面デザイン変更や偽造防止策を強化した新バージョンの身分証(実体カード)の発行がスタートする。電子身分証が登場した後も従来通りカード型の身分証は維持される。
マカオでは、すでに昨年10月から自動車運転免許証と車両保険情報の電子化が実現しており、「一戸通」アプリ上での提示が可能となっている。