新種の偽1000香港ドル札見つかる―中銀香港08年版に酷似
- 2013/12/25 10:38
- 社会・政治
マカオで極めて精巧な偽1000香港ドル紙幣が見つかった。中國銀行(香港)が発行した2008年版と酷似しているという。マカオ政府司法警察局によると、マカオの銀行及びカジノから通報を受けた偽札63枚について調査を行っている。
2013年12月25日付地元有力紙「澳門日報」が報じた。今回見つかった偽札はこれまでになかった新種とみられる。司法警察局によると、まだ犯人は逮捕されておらず、同一犯罪集団による犯行の疑いもあるとして、香港警察当局と連携しながら捜査を進めているという。
今回の偽札は、今月20日にマカオ半島北部の黒沙環にある銀行で最初に見つかった。マカオの女性が46万香港ドルを預金しようと銀行を訪れた際、1000香港ドル紙幣のうち50枚が偽札だったという。一部は同一番号だった。翌日、タイパ島のカジノからも通報があり、13枚の偽札が含まれていたという。初動調査によると、最初に銀行を訪れた女性は無関係とみられている。
今回見つかった偽札は極めて精巧というが、本物と比べてやや紙質がやや薄く、透かし部分のレイヤーが不鮮明という特徴があり、ホログラムの部分についても、特殊な蛍光灯を使った紙幣判別機では決定的な色の違いが見られるという。
また、香港の報道によると、香港では2つの銀行で5枚の偽1000香港ドル紙幣が見つかったといい、こちらも中國銀行(香港)が発行した2003年版と酷似している新種という。香港金融管理局によると、現在市場に流通している中國銀行(香港)発行の1000香港ドル紙幣は約7000万枚で、そのうち半分にあたる3500万枚が2003年版という。香港では中國銀行(香港)のほか、HSBCとスタンダード・チャータード銀行も1000ドル紙幣を発行しているが、それぞれデザインが異なる。
マカオの法定通貨はマカオパタカだが、市場では一般的に香港ドルがほぼ等価で流通している。カジノや不動産取引の現場では香港ドルが優勢とあり、マカオの主要流通通貨としての役割を果たしている。