マカオの1〜6月累計カジノ売上が205%増の約1兆4200億円に…閑散期の6月も回復勢い持続

 マカオ政府博彩監察協調局(DICJ)は7月1日、最新(6月)の月次カジノ売上(粗収益、Gross Gaming Revenue=GGR)統計を公表。

 今年(2023年)6月の売上は前年同月比513.9%増の152.07億パタカ(日本円換算:約2693億円)で、対前月では2.3%減。ただし、6月の営業日は30日間で、前月と比較して1日短く、6月の1営業日あたりの平均売上は前月を0.05億パタカ(約0.9億円)上回る5.07億パタカ(約89.8億円)に。

 マカオは長くゼロコロナ政策を維持してきたため、インバウンド旅客数の低迷がカジノ売上にも影響した。しかし、昨年12月から段階的に事実上のウィズコロナ政策へ転換され、今年1月8日からは水際措置が大幅緩和されるに至った。以降、インバウンド旅客数が急回復し、その勢いを持続する状況で、カジノ売上にもプラスに作用しているとみられる。

 なお、6月はマカオのツーリズム市場にとって閑散期とされるが、今年については香港の人気歌手のコンサートがほぼ毎週末にわたって開催され、カジノ売上の底上げ効果があったとされる。

 今年1〜6月累計のカジノ売上は前年同時期から205.1%増の801.36億パタカ(約1兆4190億円)。変動率は前月時点から32.2ポイント拡大。ただし、コロナ前の2019年同時期からは46.4%減となるが、今年に入って以降は乖離幅が縮小傾向にあり、6月単月では同36.1%減。

 なお、今年のカジノ売上は4月終了時点ですでに前年通期の実績を上回っており、今後はコロナ前との比較でどの程度まで回復するかが注目点となる。

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の夜景(資料)=2020年7月本紙撮影

【資料1】2023年のマカオの月次カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・1月:115.80億パタカ=約2051億円(82.5%減)
・2月:103.24億パタカ=約1828億円(33.1%増)
・3月:127.38億パタカ=約2256億円(246.9%増)
・4月:147.22億パタカ=約2607億円(449.9%増)
・5月:155.65億パタカ=約2756億円(365.9%増)
・6月:152.07億パタカ=約2693億円(513.9%増)
>1〜6月累計:801.36億パタカ=約1兆4190億円(205.1%増)

【資料2】2013年〜2022年のマカオの年間カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・2013年:3607.49億パタカ=約6兆3881億円(18.6%増)*ピーク時
・2014年:3515.21億パタカ=約6兆2247億円(2.6%減)
・2015年:2308.40億パタカ=約4兆0887億円(34.3%減)
・2016年:2232.10億パタカ=約3兆9526億円(3.3%減)
・2017年:2657.43億パタカ=約4兆7058億円(19.1%増)
・2018年:3028.46億パタカ=約5兆3628億円(14.0%増)
・2019年:2924.55億パタカ=約5兆1788億円(3.4%減)
・2020年:604.41億パタカ=約1兆0703億円(79.3%減)
・2021年:868.63億パタカ=約1兆5382億円(43.7%増)
・2022年:421.98億パタカ=約7472億円(51.4%減)

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