アジアのゲーミング機器の38%がマカオに集中
- 2013/12/30 11:02
- 産業・経済
「ゲーミングとツーリズム・レジャー研究」誌に掲載された論文によると、2012年末に世界135の国と地域で稼働しているゲーミングマシンは750万台あり、その62%がアジアにあるという。アジアでは日本のパチンコ機器が大半を占め、実に458万台に上る。日本のパチンコ機器を除いたゲーミングマシンの分布では欧州とマカオが最大で、マカオに38%が集中するという。
12月28日付地元有力紙「澳門日報」が報じた。前述の「ゲーミングとツーリズム・レジャー研究」誌はアジア太平洋ゲーミング研究学会と澳門青年報有限公司が主宰し、12月27日に創刊された専門誌。
暨南大学(中国・広州)の左小徳教授の発表した論文「世界のゲーミングマシン産業の現状と趨勢」によると、マカオのゲーミングマシンによる売り上げは台数の増とともに上昇。2012年は132.4億パタカとなり、2002年の57倍、毎年平均複合増長率は56%にも達する。また、マカオでは今後4年間の間で、22,800台のゲーミングマシンの需要があるという。
同論文におけるゲーミングマシンの定義はパチンコ機器、カジノゲーミングマシン、ビデオ端末。日本のパチンコ機器が大半を占め、2012年には458万台にたっしているという。日本のパチンコ機器を除くと、アジアでは15の国と地域で合法ゲーミング機器施設があり、カジノゲーミングマシンも増加傾向にあるという。2004年にわずか1.7万台だったものが、2012年には3.8万台となり、年平均複合増加率は18.6%。アジアのゲーミングマシン市場を牽引するのはマカオで、2004年に2,254台だったものが、2012年には1.65万台に増えており、年平均複合増加率は43%にも達する。
アジアのゲーミング機器の分布を俯瞰すると、マカオの比率が最大で、2012年の統計で38%、次いでフィリピンの21.6%、シンガポールの18.1%の順。ゲーミングマシンの増加は新カジノ開業の動きと比例しており、今後アジア各国、地域で新カジノ建設計画があることから、さらにマーケットが拡大する可能性があるとしている。
現在、マカオではライブ方式のバカラや大小などの電子ゲーミングテーブルが流行している。ROTHキャピタルは当該分野の商品について今後も普及が拡大する余地が大きいとの予測している。マカオのゲーミング市場では今後マスゲーミングが主戦場となり、安定した収入を求めるカジノ運営企業からの電子ゲーミングテーブルの引き合いが増加するというのが理由。また、マカオでは慢性的な労働力不足であることから、人手を節約できるゲーミング機器への需要も高いことを挙げる。
現在、マカオで稼働している電子ゲーミングテーブルは4,764台あり、主に3社が供給している。中でも、同時に20以上のテーブルのゲームをライブ中継しする「ライブバカラテーブル」市場の拡大が著しいという。1テーブルにつき最大250名が賭けに参加できることから、大幅に人手を節約できるシステムだ。
世界のゲーミング機器メーカーはマカオを研究・開発、設計と販売拠点として活用しているが、依然として地元ブランドのメーカーは少ない。マカオのゲーミングマシンは輸入に頼っており、2012年の輸入台数は約3,700台、金額にして3.1億パタカで、1台当たり平均は8.5億パタカ。中古ゲーミングマシンの輸出は2.9億パタカで、輸出先は香港(中継地として他国・地域へ再輸出と思われる)となっている。今後4年間、マカオのゲーミング機器市場は拡大を続け、毎年5,700台の機器更新と新規需要があると見込まれる。