マカオ、2023年6月の平均ホテル客室稼働率は84.3%…上半期累計では78.0%

 マカオは人口約67万人、面積約32平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IR(統合型リゾート)に加え、マカオグランプリをはじめとした大規模イベントが数多く開催されるアジア有数の国際観光都市として知られる。

 マカオの年間訪マカオ外客数(インバウンド旅客数)はコロナ直前の2019年には延べ(以下同)3940万6181人(延べ、以下同)に上ったが、2020年は対前年85.0%減の589万6848人に急落。2021年は対前年30.7%増の770万5943人まで回復したものの、2022年は対前年26.0%減の570万0339人と再び下落に転じ、丸3年にわたって低迷が続いた。

 インバウンド旅客数が低迷した主要因として、2020年1月下旬から新型コロナ防疫対策の一環として入境制限を含む厳格な水際措置が講じられたことが挙げられる。ただし、2022年12月初旬に中国が事実上のウィズコロナへ急転換し、マカオも追随。今年(2023年)1月8日には水際措置が大幅緩和され、以降インバウンド旅客数は急回復している。

 今年6月のインバウンド旅客数は前年同月比480.5%増、前月比0.2%減の220万9662人、今年1〜6月累計では前年同期比236.1%増の1164万5877人。ここまで4月終了時点で昨年通期を超過、そこからわずか1ヶ月の5月終了時点で昨年の2倍に達し、さらに6月終了時点で1千万人の大台を突破している状況。

 マカオ政府統計調査局は7月27日、今年6月のホテル宿泊客関連統計を公表。同月の平均ホテル客室稼働率は84.3%で、前年同月から44.6ポイント(pt)上昇、前月からも5.4pt上昇。

 ホテル等級別では、5つ星が前年同月から52.3pt上昇の85.9%、4つ星が34.9pt上昇の81.2%、3つ星が32.8pt上昇の83.6%、2つ星ホテルが27.0pt上昇の85.3%、エコノミー宿泊施設が20.6pt上昇の71.4%。なお、5つ星ホテルの供給客室数が17.6%増、4つ星ホテルが13.6%増、3つ星ホテルが15.9%増、2つ星ホテルが増減なし、エコノミー宿泊施設が12.7%増だった点も考慮する必要がある。

 今年6月末現在、マカオで営業中のホテル数は前年同時期から10軒増の131軒、供給客室数は15.7%増の4.30万室あり、このうち5つ星ホテルが2軒増の35軒で、供給客室数は全体の60.2%を占める2.59万室。

 今年6月のマカオのホテル宿泊客数は前年同月比168.3%増の114.2万人。このうち中国本土からの旅客が155.0%増の81.6万人、香港からの旅客が898.1%増の19.6万人、台湾からの旅客が592.3%増の2.4万人。一方、コロナ禍インバウンド低迷期にステイケーション需要等で稼働率の下支えをした地元マカオ客は43.6%減の4.4万人。前年同月はゼロだった日本人旅客は約4100人。ホテル宿泊客の平均滞在時間は前年同月から0.1日長い1.7日に。

 今年1〜6月累計の平均客室稼働率は前年同時期から40.3pt上昇の78.0%、ホテル宿泊客数は130.1%増の604.9万人、平均滞在時間は0.1日短い1.7日。

大型統合型リゾート(IR)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の町並み(写真:MGTO)

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