マカオから中国本土へ自家用車使い肉類の密輸企図した運び屋摘発

 澳門海關(マカオ税関)は7月27日、同月25日に広東省との主要な陸路の玄関口にあたる關閘イミグレーションの自家用車用出境ゲートの税関検査場で違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)に絡む肉類の密輸事案を1件摘発したと発表。

 税関によれば、25日午後、リスク管理システムの予備警戒アラートによってマカオ側から中国本土側へ向かうマカオ登録の自家用車(マカオと広東省のWナンバー)1台を調査したとのこと。この際、運転手のマカオ人の男(47)は税関職員に対して申告物なしと告げたが、その後の車両に対する詳細検査で車内から牛肉280キログラム、ハム19キログラムが見つかり、フロアマットの下に置いたり黒いビニール袋で覆うなどの偽装工作が認められたという。

 当該物品は輸出にあたり申告や検疫を要するが、運転手は有効な書類を提示できず、密輸を企図していたことが判明。税関では背後に組織的な密輸グループが存在するとみて追跡を進めるとともに、全力を挙げて運び屋を取り締まるとした。

密輸に使われた自家用車内に隠されていた肉類(写真:澳門海關)

 税関は運転手の男を対外貿易法違反=最大5万パタカ(約86万円)の罰金=で起訴するとともに、車両の越境通行許可証の取り消し手続きを進めているという。

 目下、マカオ警察総局による指揮の下、各保安部門が地域社会の良好な治安環境の維持と保護を目的とした大規模取り締まり作戦「落雷2023」を展開する中、税関でも水際での警戒を強化して臨んでいるとし、市民に対して物品の出入りに関する法令を遵守し、偽装行為や虚偽申告、またいかなる運び屋行為にも関与しないよう呼びかけた。

 年初のウィズコロナ転換による水際措置の緩和を受けて、マカオと中国本土、香港との相互往来が容易になって以降、運び屋が絡む密輸入、密輸出事案が摘発されるケースが急増している。密輸品の種別では、以前は食材やたばこ、酒などが多かったが、このところは中古スマートフォン、中古バッテリー、パソコン用のパーツといった電子製品が目立つ。

密輸に使われた自家用車内に隠されていた肉類(写真:澳門海關)

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