マカオの2023年6月飲食業・小売業景気調査結果公表…売上額対前年大幅増、翌月見通し良化
- 2023/8/18 10:04
- 産業・経済
マカオ政府統計調査局は8月17日、今年(2023年)6月の飲食業と小売業に関する景気調査結果を公表した。
同局の調査に回答した飲食・小売業者の売上額はいずれも前年同月から大幅増。飲食業では104.5%増で、特に西洋料理店(164.3%増)とチャイニーズスタイルの酒楼・飯店(146.7%増)が大きく売上を伸ばした。小売業についても80.6%増で、百貨(141.3%増)、時計・宝飾品(123.1%増)、革製品(112.1%)、成人ファッション(100.8%増)が顕著な増に。一方、スーパーマーケットは14.2%減。
前月と比較した売上額では、飲食業が2.0%増、小売業は5.5%減。飲食業ではチャイニーズスタイルの酒楼・飯店が4.9%増だったのに対し、茶餐廳(カフェレストラン)・粥麺は0.7%減、小売業では化粧品・衛生用品、時計・宝飾品、自動車がそれぞれが16.0%、12.5%、11.7%の減で、スーパーマーケットは3.0%増に。
6月と比較した7月の見通しについては、飲食業の36%が増、19%が減とし、小売業では31%が減、24%が増とした。なお、飲食業のうちチャイニーズスタイルの酒楼・飯店と日韓レストランはいずれも41%が上昇、小売業のうち革製品と化粧品・衛生用品はそれぞれ60%、36%上昇と回答。自動車については下落した回答が73%だった。
売上高の前月比の変化を反映した業務展望指数は飲食業が58.1、小売業が53.5で、いずれも基準値となる50を上回り、両業界とも6月に比べて7月の売上が良化するとみていることを示す結果に。
なお、調査サンプル数は飲食業が229事業者、小売店が161事業者で、コロナ前2019年の各業界における総売上の前者が53.5%、後者が70.6%を占めるとのこと。
マカオでは年初のウィズコロナ転換による水際措置の大幅緩和を受けてインバウンド旅客数の急回復が続いており、前年比大幅増の主要因となっている(特に前年6〜7月にかけてはアウトブレイクの出現によりロックダウンに準ずる措置が講じられた)。対前月でのマイナス要因については、インバウンド旅客の消費嗜好の変化のほか、ボーダーを跨ぐ移動が容易になったことでマカオ市民のマカオ以外での消費が増えたとする見方などがある。