マカオのカジノ業界従事者数が3.7%減の約5.2万人に…平均月給は6.3%上昇、人材需給バランス安定=2023年2Q

 マカオは面積約32平方キロ、人口約68万人という小さな地域(中国の特別行政区)だが、およそ30軒のカジノ施設が軒を連ねるほか、競馬、サッカー及びバスケットボールを対象としたスポーツくじ、ロトといった各種合法ギャンブルも存在し、政府とコンセッション(経営権契約)を結ぶ民間事業者によって運営されている。

 マカオ政府統計調査局は8月21日、今年第2四半期(2023年4〜6月期)のゲーミング(カジノ含むギャンブル)業界における人材ニーズ及び給与調査統計を公表。なお、本統計の調査対象にはカジノ仲介業(ジャンケットプロモーター)及びカジノ仲介パートナーは含まれない。

 昨年第2四半期末時点のフルタイムのゲーミング業従事者数は前年同時期から1899人減(3.7%減)の5万1693人。カジノディーラー職に限ると418人減(1.7%減)の2万3675人だった。

 今年6月のフルタイムのゲーミング業従事者の平均月額報酬(賞与等臨時給含まず)は前年同月から6.3%上昇の2万4730パタカ(日本円換算:約44.7万円)。カジノディーラー職に限ると同5.0%上昇の2万0330パタカ(約36.8万円)。

 マカオのゲーミング業界における今年第2四半期末時点の空きポジションは前年同時期から94枠増の113枠。

 求人条件については、要業務経験が69.0%、高等教育学歴不問が64.6%。また、要中国語(いわゆる北京語)が81.4%、要英語が57.5%を占めた。

 今年第2四半期の新規雇用者数は986人、離職者数は1220人で、従業員雇用率は前年同時期から1.6ポイント上昇の1.9%、離職率は0.9ポイント上昇の2.4%、欠員率は0.2%で、業界における人材需給バランスが比較的安定した状況にあることを反映したものとなった。

 なお、今年第2四半期のマカオの労働人口は37.18万人、就業人口は36.14万人、総体失業率は2.8%。ゲーミング業従事者がマカオの就業人口に占める割合は単純計算で14.3%となる。平均月収については、今年第2四半期のマカオの就業人口全体の月給中位数である1万7000パタカ(約30.1万円)を大きく上回った。

 マカオでは、2020年1月下旬以降、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う入境制限を含む防疫措置の強化等によってインバウンド旅客数が低迷し、カジノ売上を直撃。昨年通期のカジノ売上は前年比51.4%減の421.98億パタカ(約7633億円)で、2004年以来で最少となり、コロナ前2019年水準の2割弱にとどまった。ただし、昨年12月から事実上のウィズコロナに転換し、水際措置の緩和が進んだ結果、今年に入って以降インバウンド旅客数が急回復しており、カジノ売上にも波及している状況。今年1〜7月累計のカジノ売上は前年同時期から263.0%増の967.98億パタカ(約1兆7510億円)で、コロナ前2019年同時期の56.6%に相当。このところ乖離幅が縮小傾向にあり、7月単月では同68.1%まで回復した。

アフターコロナでカジノ売上の回復が進むマカオ(資料)=2023年8月、カジノリスボア前にて本紙撮影

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