マカオ、8月カジノ売上は約3千億円…コロナ前同月の7割超、2ヶ月連続年初来最多更新

 マカオ政府博彩監察協調局(DICJ)は9月1日、最新(8月)の月次カジノ売上(粗収益、Gross Gaming Revenue=GGR)統計を公表。

 今年(2023年)8月の売上は前年同月比686.4%増の172.13億パタカ(日本円換算:約3090億円)で、対前月でも3.3%増。年初来の単月最多を2ヶ月連続で更新した。

 8月の営業日は31日間で、前月と同。8月の1営業日あたりの平均売上は前月を0.19億パタカ(約3.4億円)上回る5.56億パタカ(約99.8億円)に。

 マカオは長くゼロコロナ政策を維持してきたため、インバウンド旅客数の低迷がカジノ売上にも影響した。しかし、昨年12月から段階的に事実上のウィズコロナ政策へ転換され、今年1月8日からは水際措置が大幅緩和されるに至った。以降、インバウンド旅客数が急回復し、その勢いを持続する状況で、カジノ売上にもプラスに作用しているとみられる。7月から8月にかけての夏休みシーズンはマカオのツーリズム市場にとって繁忙期にあたり、インバウンド旅客数及びカジノ売上の底上げが期待されていた。

 今年1〜8月累計のカジノ売上は前年同時期から295.1%増の1140.11億パタカ(約2兆0464億円)。変動率は前月時点から32.1ポイント拡大。ただし、コロナ前の2019年同時期からは42.5%減となるが、今年に入って以降は乖離幅が縮小傾向にあり、8月単月では同29.1%減。

 なお、今年のカジノ売上は4月終了時点ですでに前年通期の実績を上回っており、今後はコロナ前との比較でどの程度まで回復するかが注目される。

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の夜景(資料)=2020年7月本紙撮影

【資料1】2023年のマカオの月次カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・1月:115.80億パタカ=約2087億円(82.5%減)
・2月:103.24億パタカ=約1861億円(33.1%増)
・3月:127.38億パタカ=約2296億円(246.9%増)
・4月:147.22億パタカ=約2653億円(449.9%増)
・5月:155.65億パタカ=約2804億円(365.9%増)
・6月:152.07億パタカ=約2739億円(513.9%増)
・7月:166.62億パタカ=約3002億円(4082.9%増)
・8月:172.13億パタカ=約3090億円(686.4%増)
>1〜8月累計:1140.11億パタカ=約2兆0464億円(295.1%増)

【資料2】2013年〜2022年のマカオの年間カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・2013年:3607.49億パタカ=約6兆4988億円(18.6%増)*ピーク時
・2014年:3515.21億パタカ=約6兆3325億円(2.6%減)
・2015年:2308.40億パタカ=約4兆1585億円(34.3%減)
・2016年:2232.10億パタカ=約4兆0211億円(3.3%減)
・2017年:2657.43億パタカ=約4兆7873億円(19.1%増)
・2018年:3028.46億パタカ=約5兆4557億円(14.0%増)
・2019年:2924.55億パタカ=約5兆2685億円(3.4%減)
・2020年:604.41億パタカ=約1兆03888円(79.3%減)
・2021年:868.63億パタカ=約1兆5648億円(43.7%増)
・2022年:421.98億パタカ=約7602億円(51.4%減)

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