マカオのカジノが台風一過で営業再開…異例の全閉鎖は一晩で解除に
- 2023/9/2 9:02
- カジノ・IR
台風9号(国際名:サオラー)のマカオ接近に伴い、9月1日夜からマカオの全カジノ施設が異例の全閉鎖となったが、9月2日午前8時に営業再開となった。
1日午後7時頃、「台風接近に伴う客と従業員の安全を確保するため、台風警報シグナル(※)9以上の発令をもって全カジノ施設を臨時閉鎖する」との行政長官令が発出。同日午後8時、気象当局が同日午後11時にシグナルの8から9への引き上げ予告を出したことを受け、各カジノ施設で閉鎖に向けた準備が始まり、午後11時までに客と従業員の退出が完了した。その後、2日午前1時に警報シグナルは最高レベルの10に引き上げられたが、台風の通過に伴い、午前6時にシグナルが8に引き下げられ、午前8時の営業再開がアナウンスされたもの。(※香港・マカオの台風警報シグナルは低→高の順で1、3、8、9、10となっている)
マカオのカジノ施設は年中無休の24時間営業が基本のため、全閉鎖は極めて異例のこと。直近ではコロナ禍の防疫措置で2020年2月と2022年7月に二度の全閉鎖があったが、台風が原因となるのは2018年9月以来(この時が史上初めてのケース)、およそ5年ぶり。5年前の台風時の閉鎖時間は約33時間に及んだが、今回は約9時間にとどまった。
なお、依然として台風警報シグナル8が発令されており、域内及び香港との間を結ぶ公共交通機関は運休が続いている。マカオ気象当局は午前中いっぱいシグナル8を維持する見通しを示しており、公共交通機関の運行・運航再開は早くても午後以降になりそうだ。
台風9号による被害状況について、マカオ政府は2日午前8時までに把握している情報として、負傷者2人、事故121件(倒壊34件、落下物対応75件、建設現場施設対応9件、海上事故1件、火災1件、閉じ込め1件)、避難所の使用者は累計243人としている。
マカオでは、2017年8月に超大型の台風が襲来し、人的、物的に甚大な被害が発生したほか、一部のカジノ施設が浸水や停電の影響を受け、混乱が生じた。この被災経験を教訓に、災害に強い街づくりが進められていると同時に、市民の防災意識も高まっている。