マカオ、超大型台風接近も予想より影響小さく…当局が総括

 マカオでは、9月1日午後から2日午後にかけて超大型の台風9号(国際名:サオラー)が再接近し、当局が即時予防体制を敷いて対応に当たった。

 2日午後3時に即時予防体制が解除されたことを受け、マカオ政府の市民保護オペレーションセンター連合行動指揮官の黄少澤保安長官が総括を発表。黄氏は、台風9号がマカオにもたらした影響は事前予想よりも影響が小さかったとし、域内の秩序は正常に保たれ、188件の事故が報告されたが、主に落下リスクのある物品と倒壊物への対応だったとした。人的被害は負傷者6人(うち1人が骨折)だったとのこと。このほか、浸水の恐れがあった低窪地の住民およそ3千人に対して避難を呼びかけ、避難所の使用者は累計247人(うちマカオ居民106人)。なお、台風シーズンはしばらく続くため、皆が気を緩めないことを望むとした。

マカオ政府保安部門職員による障害物除去作業の様子=2023年9月2日(写真:マカオ政府市民保護オペレーションセンター)

 経済面では、台風接近に伴う客と従業員の安全確保を目的に、1日午後11時から2日午前8時までの約9時間にわたってマカオの全カジノ施設が臨時閉鎖された。マカオのカジノ施設は年中無休の24時間営業が基本のため、全閉鎖は極めて異例のこと。直近ではコロナ禍の防疫措置で2020年2月と2022年7月に二度の全閉鎖があったが、台風が原因となるのは2018年9月以来(この時が史上初めてのケース)、およそ5年ぶり。

 マカオ気象台によれば、台風9号はマカオにかなり近いルート(マカオの南、約20〜30km)を通過し、強風と大雨をもたらしたが、勢力が予想以上に早く弱まったこと、またスピードが早まったことで高潮の状況が予想を下回り、また満潮と重ならず、低窪地における浸水は軽微なものにとどまったとの見方を示した。

 マカオでは、2017年8月に超大型の台風が襲来し、人的、物的に甚大な被害が発生したほか、一部のカジノ施設が浸水や停電の影響を受け、混乱が生じた。この被災経験を教訓に、災害に強い街づくりが進められていると同時に、市民の防災意識も高まっている。

マカオ政府市民保護オペレーションセンターによる台風9号対応総括会見の様子=2023年9月2日(写真:マカオ政府市民保護オペレーションセンター)

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